詩人:七緒 | [投票][編集] |
どうか冗談を
大きく拭ったりして 唇
君は蜃気楼にあこがれて
いつか果てしない海を泳ぐかもしれない
僕もロボットになりたくて
身体に刃を入れるかもしれないよ
はりつめた我慢をする
切ないね 気付けない事
大声を出して 君がはっとしても
僕にはもう為す術がない
悲しみを 消すのかい
こんな場所まで 来てしまったのに
いくら電話を 待っていても
ここには誰も 来られはしないよ
さようなら
嘘つきね
僕は 少しだけ怖じ気づきながら
ああ わかってるごめんな
愛してるよ
どうか 喝采を
君のためだけと 胸を張れる唄を
ねえくだらない
世間話はもうやめにして
小さく微笑ってみたりして 唇
詩人:七緒 | [投票][編集] |
心も恥も
ゆるせないなら
もういいよ 隠れんぼは
おわりだよ
6月の雨は 僕たちに
優しい嘘を残していくから
もう いいよ ああ だいじょうぶさ
バスルームで さようなら
でも愛している
暮れる陽をごまかしていた
あの滑走路に突っ立って
大好きだった温もりに 壊される
それを待っていた
守る強さはなかった
守られる理由を探した
指先に ふれるように
傍に ある温度に
なみだを 拭えるように
隣りに 見る左手に
君は僕を許せるの
そう尋ねてる
正しかったのは何だ
もう いいよ
ああ もう なんにもいらない
リンドバーグの 大きな夢をみる
少年は決意する
バスルームで さようなら
でも愛している
まだ 愛している
詩人:七緒 | [投票][編集] |
綺麗な星が見えた夜は
少しだけ
愛してると言った事を
悔やまなければならない
言葉を出さず手を取るのね
小さな橋を渡って
いつも覗く
かがんだ泣きっ面はばからしい
赤い色に立ち止まる
緩んだ手の暖かさは
もう忘れてしまおう
笑おうと思った唇が愛しい
とっくにぼやけたやわからかい肌が
どうしようもなく綺麗だ
私たちは
どんなふうに
ふたり歩いて来たのだろう
あの瞬間の熱に
すべてを感じている
雨が降ればいい
綺麗な空は少し悲しいから、
そんな事を理由に
泣いているのなら
あなたの胸を締め付ける理由もきっとなかったのに
撫ぜた髪は熱を持っている
涙が乾いたら
まだ少し歩けたかもしれない
綺麗な星が見えた夜は
少しだけ かなしくなるから
ひとつには なれないから
詩人:七緒 | [投票][編集] |
窓から漏れる灯は
海に埋もれているような
錯覚をさせた
凡てを捨てにきた事は
誰も知らないよと
汚れない黒ってのも
いいもんだな
そう言って
頭を預けたのは 五月のこと
何を忘れたの
一番大切なものは
ずっと此処にあったのに
涙を許していた
夏の始めの午後
夕暮れる青には
もう誰を重ねる事もない
そして眠る
あなたに背を向けた事を
わたしの罪とするならば
大きな愛を以て殺してほしい
その手が好きだった
それだけ
時間さえゆっくりと
過ぎてくれたら
もう大丈夫だと
あなたは笑ってみせるだろう
清い瞳 どうかそのままでいてね
何を忘れたの
大切なものなんて
何一つ変わらない
涙を枯らしてまで
私を見てくれたね
何を忘れたの
守りたかったものなんて
一つしか なかったわ
涙を許していた
夏の始めの 午後
詩人:七緒 | [投票][編集] |
わかってる 煙草は消して行くから
例えばこんな場面に
言葉なんかが必要なら
今すぐにでも君に夢の話をしただろうな
君の笑顔を覚えている
うんと昔から知ってるようで
淋しさを拭ってしまえば
何もかもを忘れるけれど
人を愛して初めて知ることが
僕らには多過ぎた そうだろ
世界は歩き
また始まる
あの日
髪に通す指に恋をした
丁度結わく前 息をひとつ はいた後
わかってる
何も残さず行くから
例えばこんな場面に
言葉なんかが必要なら
何度でも君に
愛の続きを 話したのに
詩人:七緒 | [投票][編集] |
曇った空にさよならが言えない
君の息づかいだけあればもう
終わらない夜でいいと思った雨の日
ベイビー 恋なんてものに
振り回されるほど君は愚かじゃないんだね
緩い袖 青い時間
左胸に誓わない 愛が冗談めいてる
君が笑うのを 確認して眠ったのは
眠ったのは
きっと僕が 子供だったからだ
同じ夜を過ごしても
同じ朝を迎えても
例えば僕らが 一つだったとしても
適わない場所にいる
叶わない夢に泣く
どんな気持ちで言えばいい
ふたり別れを待ってる
どんな愛し方をしただろうか
そんなこと思い出してる
ベイビー 恋なんてものに
振り回される君じゃないから
白い夢 君の香り
左胸に誓えない 愛が冗談めいてる
君が笑うのを
確認して眠ったのは
眠ったのは
すべて惑わす
ゼラニウムの香りと
詩人:七緒 | [投票][編集] |
薄青い夕暮れ
ヴィンテージ・ジャケット
壁のポスターと 錆びた鍵
相容れない私達の
言葉のないこの部屋
ゆるやかに明るいカーテンは
ねえ 不似合いね
わかりにくい 愛の示し方だったり
見つけづらい 心の影を
少しずつ間違えたなら
仕方のないこと
変わることも 変わらないことも
きっと難しいね
あなたはそう言って
私もそれを受け止めて
恋の終わりなど
こんなものだと
嘯いて笑った
夕焼けのオレンジが
閉めきった窓を越えて
ジンも要らない
言葉も要らない
かなしいほど
こんなに心が解るのに
さよならなんて
言葉を投げ捨てること
私達は 上手くやれはしないだろう
愛を語ることも出来ない
不器用に歩いていく
ノクターンは 要らない
こんな別れには
変わることも
変わらないことも
きっと難しいんだ
息が止まるほどかなしい言葉に
私は頷いて
恋の終わりなど
こんなものだと
嘯いて笑った
詩人:七緒 | [投票][編集] |
「大丈夫」が口癖の君を
いつかそこから連れ出してあげたかった
チョコレートとか花束とか
君の好きなものだけ集めた世界に
君の正しさが正義じゃないのなら
そんな世界なくなったっていいや
もう会えないのに
また会えるような顔をする
また会えるのに
もう会えないような気持ちになる
私たちはみんな不器用だから
いつも選択を間違えてしまうよね
君がいなくても
私はどうにか生きていけてしまうから
きっと君も
私がいない日々を
なんてことない顔で暮らしていくだろう
時は過ぎる
上手くやれる
忘れたふりをして
何でもないふりをして
でも
君の事が好きだよ
本当に好きだよ
ああ うまく言えないことばかり
ねえ 忘れたくないことばかり
詩人:七緒 | [投票][編集] |
どうしてわかってくれないの、と声を荒げた君も
だけどもうどうしようもないことだと本当はわかっていたんだろう
何もかも平気なような顔をして
日々を過ごすのは難しくはなく
やさしさと無邪気さの細い針で
少しだけ胸を痛めながら
だって女っていつもそうだろ
愚痴を言い合う居酒屋で
自分の言葉だけが生ぬるく響くようだ
忘れないでどこにも行かないで
本当は腹の底でもがきながら
だってこんなに好きだった
いつからこんなに苦しかった
もっといい奴いるよって
最後の最後に傷付けた
溢れてくる言葉はどれも
僕たちを救わないだろう
やさしさと無邪気さの細い針で
君の胸が痛まぬように
あの頃の僕が僕に言う
なぜ抱きしめて守らない
君の涙と溜め息が消える街
たった4つの季節を
繰り返していくその中で
いつか会えたなら
笑顔が見れたなら
身勝手にそんなことばかり 考えている
詩人:七緒 | [投票][編集] |
私が生まれた小さな町のこと
あなたに話したことがあったかしら
いいの 悲しくない
東京はあまり雪が降らなくて
なんだかつまらないと思っていたもの
すべき姿勢を理解しても
続けることは難しいねって
あなたが言ってた夜のこと
ぼんやりした頭で思い出す
憧れと後悔と不安と愛しさ
私の中ではそういうものたちが
入り混じってよくわからなくなっていて
もう上手く伝えることはできないの
私の気持ちを歌にしないで
だって泣いてしまうから
誰かのために生きたりしないで
だってその人は私じゃないから
ここは東京
あなたのいる街だった