詩人:サエ | [投票][編集] |
女は抱かれたいんじゃない
求められたいんだ
抱きしめられて満足するときもある
身体が感じるだけじゃなく
こころが感じるから
文字だけで嬉々として
声だけで熱くなる
指が触れただけで濡れていく
大人になるほど
少女に戻っていく
身体と心はいつだってアンバランス
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今宵幾度も思い出す
帰省の知らせを聞いたときの
あなたの声の高ぶりを
ちょっと早口で嬉々する姿を
まぶたのうらで思い浮かべる
また会えるその日まで
わたしの心臓はもつのかな
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あなたが想いを告げるとき
洗い立ての毛布のようにあったかい
電話を切ってもしばらくは
求めずとも
せがまずとも
降ってくる優しい言葉たちを
私はどう受け止めたらいい?
繋がっているから言わなくていいと
あなたの気遣いはわかるけど
私も想いを伝えたい
けど言葉にするには限界があって
離れてしまった今
抱き合うことができない今
言葉でしか繋がれない今
言葉を並べるほどに切ないの
伝えきれないことがもどかしいの
所詮抱き合うことでしか
繋がっていられない私たち
満ち足りない月のように
ほら 今夜ももがいてる
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夜中に見返す愛しい文字たち
きれいに並んだ愛しい文字たち
もうすぐ消える愛しい文字たち
透明な宝箱があったらいいのに
秘密の角を曲がったら
そこは月明かりもない夜のなか
あなたに背を向け火をつける
煙がくゆる夜のなか
あなたが私を呼んでいる
私の名前を繰り返す
返事なくても続けるあなた
何度も唱える呪文のようで
続く呪文は魔法のようで
私は魔法にかけられて
あなたの呪文が愛のことばに聞こえるの
名前をひとつ呼ばれるたびに
私の体温が上がってく
名前がまるで
愛してるの隠語のようで
あなたに何度も唱えて欲しくて
私は聞こえない振りをする
消費期限はあと2日…
あなたはあと何度
魔法を使うだろう
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砂時計のなかの自分
時間が経つにつれ
息苦しさでいっぱいになる
時間が解決するだなんて
慰め以外のなんでもない
じわじわと落ちてくる砂
いっそのことひとおもいに落ちてこい
あなたの想いが目に見えたなら
わたしは平気じゃいられないだろう
あなたの姿を探してる
いつだって1番に見つけたい
目を瞑ったらあなたが映る?
甘え下手な甘ちゃんは
何も見えない
離れたら意味がないの
触れないと意味がないの
誰か砂時計を逆さにして
もう一度あの頃に戻してください
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運転してても
一服してても
コンビニ行っても
仕事してても
昨夜のあなたの愛してるが
右耳に張りついて
とれないの
この声をいつか忘れる日がやってくるのが
たまらなく怖くてさびしいの
明日なんて来なくちゃいいのに
昨日を永遠にループしていたらいいのに
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男は扉をたたくだけ
自分から開けることはしない
中から女がでてくるのを待つだけ
最後のトリガーを引くのは女
引かせるように仕向ける男
なんて
ずるいよね
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久々でもかまうことなく
わたしを抱きしめる腕に迷いはない
会いたかったと
抱きしめながらあなたが溢した
ねぇ
よっぽどわたしの方が逢いたかった
全部欲しいと
瞳をとじてあなたが漏らした
ねぇ
とっくにわたしの全てを拐っていった
時計の針は
あなたとわたしのときばかり
やたら早足で
どれだけ願っても
止まってさえくれない
あなたの感覚を反芻しては
乱れた心を押さえつけ
あなたの声にさぇ反応する
冷えた身体を縮こませ
あと幾ら刻が経てばと
ひたすら画面に訴えかける
あなたをひととき手にする為に
ピアスを片方なくしたみたい
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そんな気ないのに
これでラストと
嘘をつく
あなたがわたしに火をつけて
わたしがあなたを抱きしめて
ふたり一緒に染まってく
静かな炎は赤くなり
煙りを吐いては息苦しい
激しい熱で唸りをあげて
どんどん深く堕ちていく
満ちかけた月も見えない場所で
誰にも知られず燃えていく
最後の残り火で照らされた
あなたの穏やかな一瞬を
切ない炎の残り火を
わたしだけが知っている
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隙をついては
人目をぬって
奪われる唇
冷たい唇が
気持ちいいなんて
わたしも
ほとほと浮かれてる
目が合うたびに
早くなる鼓動を
こっそり触れられるたびに
跳ね上がる鼓動を
早くあなたと分け合いたい
予告もなく鳴る電話
油断してると
足元すくわれるから
あなたのかわいいに
もうそれほど価値なんてないから
あなたから離れる口実はある
リミットも近い
あとはそれに理由をつけるだけだから
自分を納得させるだけだから