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サエの部屋


[4] スイッチ
詩人:サエ [投票][編集]

女のスイッチが入る

あなたがわたしの手を握ったら

音もなく でも確実に

あなたがわたしの髪を撫でたら

じんわりと でも早足で

簡単に「すき」と言えないふたり

抱きしめるたびに 聞こえてくる

「あいしてる」って 心で言った

あなたが照らす わたしの素直

わたしが包む あなたの弱さ

自分の肌も邪魔なほど

ひとつになりたくて

触れたところがすべて愛しくて

あなたの跡を追うように

ひとりになって も一度撫でる

ひとつ残らず覚えておきたい

香りも眼差しも温もりも

テーブルの下の悪い手も

鼻にかかった声もポーカーフェイスも

あなたをつくるすべてを


今夜わたしから手を握ったら

わたしがあなたの頬を撫でたら

きっと

あなたの男のスイッチを

わたしが入れる

2020/02/17 (Mon)

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