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サエの部屋


[7] 初恋
詩人:サエ [投票][編集]

初恋のはじまりは

彼が壇上に上がった瞬間

私の世界が変わった瞬間

募る想いは伝えようもなく

溢れる気持ちを打ち明ける術もなく

3年間 ただ毎日彼に会える特権を私は持っていた

彼の靴音、笑い声、袖を巻くる仕草

真剣な眼差し、車のナンバー

今でも 昨日のことのように思い出す

10年ぶりの彼の姿

何ひとつ変わらない姿

彼だけ刻が止まったように

何ひとつ色褪せない

私がいくつ歳を重ねても

彼との差は縮まる筈はないのだけど

大人になった今

見上げるばかりの壇上に

私も並べたようで

不思議と安堵するの

当時は夜も眠れないほど焦がれて憧れては

苦しくて切なさで仕方なかった恋

今は眠れない夜にまぶたの裏に浮かんでくる

笑みすら溢れそうなほど

微笑ましい睡眠導入剤のような思い出

あの時私が想いを伝えたことを

彼が今でも覚えていてくれたから

これからも私の初恋は

永遠に生きていく

褪せることもなく

2020/02/20 (Thu)

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