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ジャガーの部屋


[64] キス
詩人:ジャガー [投票][編集]


ぼんやりと沈む

枕の上転がる寝息が

たまらなく愛しくなって

黙ったままで

眠る君の顔に

キスをする


嫌がる寝顔に

妙に寂しくなって

背中を向けて

寝たフリをする



引き裂いて

また繋いで

また引き裂いて…

イタズラに繰り返された


心まで同じように

傷つけは舐め合って

引き裂かれた愛をまた

キスで繋ごうとして…



何度も繋げてスリ減った

そしてはまらなくなった

このネジの様に

何度も繰り返し

許し合った

ぼくらにはもう…





水をナイフで


切りつける様に


水面が映し出す空が


醜く波紋で揺らいでも



やがて波は静まり


水しぶきは雨でもなく


水面にまた青空を


広げるだろう



ぼくらも同じで


きっと愛とか心には

カタチなんか無いって

信じ続けるから

スリ減る事はあっても

いつかはまた

繋がれるはずだから


そのときはまた

キスでおやすみしよう


愛を繋ごう


2006/08/21 (Mon)

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