入門書はいらない

裏技を教えて

偽物ばかりだって

まぶたの重い

羊が叫ぶ

性欲にまかせた羊の群れが

密やかに生える草共を根絶やしにする

気付けよ

諦めるな

禁煙促進ポスターが幅をきかす喫煙所で

薬の毒を深深と吸い込む

革新的な野望の陰で

恋愛の安心に座り込み

歩けない僕に苦笑い

なんにもしなきゃ

なんにも起きない

首つり台の向こうには

何が見えたのだろう？

世間の世界観を全否定して

もう一度自己表現

相対的な価値観は

さっき全否定したばかりのルール

幼稚な独立国家の出来上がり

限りある未来に

少しだけ炭酸を

六月十三日晴れ

嘘を吐き慣れて

浅はかな恋心を隠す術を覚えた

時計が

無作為の残酷さを刻んでいく

楽な仕事とストレスに溺れる日常は

秘密を持たない恋に似ている

伝えたい事なんて山ほどあるよ

正しい事になんか興味はない


もう一度

初めからやり直そう

鎖骨の魔法を受け入れた

プルタブみたいな恋心

風が吹く

真実を吹き飛ばす

入道雲の隙間から

追い越したはずの夏が来る

もう二度と

重なり会うことはない

さようなら

僕の海

共通の話題を持つために

制限された時間の中で

不味い社食を食う

どう考えたって理不尽極まりない