詩人:しゅんすけ | [投票][編集] |
自転車にも慣れて
トンネルの天井を見ながら走っていた
沢山の染み
一つ一つはなんの意味もないただの染み
それが重なりあう事で
自然を感じた気がした
そこに芽生えたのは恐怖とも緊張感ともつかない
曖昧な感情
まるで
私を正しい道へ導こうとする
母の言葉のようであり
また
頑な私に対して
雄弁な沈黙を差し出した父のようでもあった
すぐにトンネルの天井は途切れ
やっと雲のきれた夜空が展がる
そこに望む欠けた月は
その欠けた部分を待っているかのように
白く輝いていた
まるで私の帰りを待つ
君のように
君の笑顔が月に重なる
私は前を向き
君の家の方へと
力強くペダルを踏み込んだ
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先生
貴方に教えてもらったことは
今日の僕には意味がなかったよ
先生
貴方が放った美しい日本語は
ただ綺麗なだけで僕には意味がなかったよ
先生
貴方が大事にした文化は
傲りと先入観を生むだけで僕には意味がなかったよ
先生
貴方の中の正しい事は
身を守りながら弱く生きてくつもりのない僕には意味がなかったよ
雨も上がったし
先生
さようなら
僕がみたいのは
あなたが見たことのない世界
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畦道
秘密基地
お化け屋敷
あの頃見えた景色は
もう見えないけど
君の意地悪な笑顔は
この雨みたいに
優しくて
なくしたモノをうめてくれる
目を閉じて
あの頃の景色を描いた時
そこには居るはずのない君を感じたから
ほら
畦道
秘密基地
お化け屋敷
君の笑顔
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たかが三千いくらの紙切れを十枚やそこら売るために四苦八苦して
やっとてに入れた今日
マルボロの赤い蓋を開けながら
他人の感情を覗き見た気分に浸る
焦りが諦めに替わるのに
それほど時間はいらない
自分で作り上げた
丸っきりツクリモノの社交性に
若干の倦怠感を感じながら
苛立ちを抑える為の火をともす
飢え続ける事の難しさを
今になって実感した
飢え続けた者が勝つのだ
一瞬でも気を抜けない
勝つと決めたんだろう?
こだわってやろうじゃないか