詩人:しゅんすけ | [投票][編集] |
反り返った刃は
限りなく悲しく
振り返った陰は
裂かれることを恐れるように寄り添って
時間が過ぎるのをじっと待っている
疲れるのはまだ早い
前を向く気力を削りとろう
痩せていくからだには
まだ見ぬふりをしておこう
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希望に満ちた言葉や
活力の溢れる言葉が
最近妙に勘にさわる
だからといって
今更注射器なんかみたくもない
堅実に
無頓着なふりをしてきたのに
せいいっぱい
馬鹿なふりをしてきたのに
鈍感な世界は
死ねとしか言わない
ヤクチュウの歌が身に染みるのは
救われる気がするから
見えないものをみようとする君達が
みたいと思う嘘をついてあげる
知ったつもりで臭い息を吐きかけられたって
君達の真実は
僕のテノヒラの上
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大江山にふみ入れて
酒呑童子と戯れば
酒地肉林の響きより
足つく眼下の家恋しくて
我も人なりと
思い宣う
それこそが罪なのだ
ならば罪人であり続けよう
この身が滅びるまで
人で在り続けよう
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絵を描く君の横顔を
君の人指し指と親指を
笑うと線になるその瞳を
僕は誰よりも
そう
たぶん世界中の誰よりも
愛しています
最近は言葉で絵を描けるようになった君に
嫉妬したりもします
振り向き様に舌を出した君を抱き寄せて
濃度の低い愛の言葉を
百個も並べれば
こんなブランクなどすぐに消えるでしょう
待っててね
すぐに帰るから
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鈍く輝く太陽は
真っ赤に汚れていて
強引に騙した桃色の妖精は
釣り籠の中で
嬉しそうに飛び回る
三秒前の記憶喪失と
口からでかかった内蔵をごちゃまぜにして
思いに反した言葉を産み出し
その場しのぎの嘘を吐く
遠退くリアルに一蔑もくれず
ただ追い掛ける
うまくやれないくやしさが
捌け口となる器を探す
一杯になれば
また捨てればいい
開け放した籠から
出ようとしない妖精も
いたにはいたが
そんなことはどうでもいいんだ
自分本意の恋のはて
軽薄なサヨナラも
重複するシナリオも
日曜の憂鬱に押し潰されて
また繰り返す
ラインを越えて
その先の暗闇へ