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しゅんすけの部屋


[258] 自転車
詩人:しゅんすけ [投票][編集]

自転車にも慣れて
トンネルの天井を見ながら走っていた

沢山の染み

一つ一つはなんの意味もないただの染み

それが重なりあう事で
自然を感じた気がした

そこに芽生えたのは恐怖とも緊張感ともつかない
曖昧な感情

まるで
私を正しい道へ導こうとする
母の言葉のようであり

また
頑な私に対して
雄弁な沈黙を差し出した父のようでもあった

すぐにトンネルの天井は途切れ

やっと雲のきれた夜空が展がる

そこに望む欠けた月は

その欠けた部分を待っているかのように
白く輝いていた

まるで私の帰りを待つ

君のように

君の笑顔が月に重なる

私は前を向き
君の家の方へと

力強くペダルを踏み込んだ

2006/03/07 (Tue)

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