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しゅんすけの部屋


[286] pure
詩人:しゅんすけ [投票][編集]

嵐の夜

耳を塞いだ手の拍動だけが響いた

そんな夜

悪魔と取引をした

売り渡したのは手首の縫い目

只の鼓動は

アマオトヲネジマゲル

怯えた目を隠すアイマスク

恐怖は衝動に

衝動は脅迫に

音をたてて変わる

薄い手が憎らしい

もう少し

チカラガアッタナラ


継ぎ接ぎだらけの縫いぐるみみたいな入れ物は

綿よりもずっと軽い魂にはちょうどいい

それなのに

手に入れた二枚目の舌は完璧な防壁を築く

脆い硝子玉を必死に守ろうと

完璧な防壁を築く

電波は腐り

やがては舞い戻る

守るための棘は

硝子玉を容赦なく叩き割った

最後に笑うのは

なにも知らない悪魔なんだろう

2006/09/12 (Tue)

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