詩人:しゅんすけ | [投票][編集] |
丸裸の街路樹が寒そうに春を待つ
作り物の優しさが街を覆い始める時間
信じられる者が多いのは
僕の数少ない自慢の一つ
聞こえていますか?貴方にも
春になったらまた貴方に会いに行こう
少し白髪が増えた後ろ姿に
躊躇いもせずただいまと声をかけたら
貴方は振り向きもせずおかえりと言うのでしょう
いつも貴方の背中にある優しさに
どれ程助けられたでしょう
どんなに早足で生きたって
どんなにゆっくり歩いたって
この距離は変わらないでしょう
だからもう少し
もう少しの間だけ
貴方の背中を
追いかけていたいのです
何時か貴方が杖をつく時
後ろからこっそり貴方を支えられるように
そしてまた
少し白髪が増えた後ろ姿に
躊躇いもせずただいまと声をかけよう