詩人:しゅんすけ | [投票][得票][編集] |
コーヒーが嫌いだった。
口の中に広がる違和感と、それが喉を通り抜けるのが。
いつ頃からだろう?そんな黒さを楽しむようになったのは。
整然とした薄暗い部屋の大きなテーブルの真ん中、カップ越しの写真へと、何気ない視線を投げかける。
感慨が湧き出す直前で視線をカップに移し、テレビの音量を二つ上げた。
今動いた時計の針が、丁度0時をさしたのを見て、目の前に転がる黒い塊に口をつけた。
苦笑いを、隠す為だけに。
黒ならば、塗り潰せるはずだから。
きっと、明日はいい一日さ。そうつぶやいて、小さく眼を綴じた。