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しゅんすけの部屋


[427] 白夜
詩人:しゅんすけ [投票][得票][編集]

街の灯が点々と流れ

ただの暗闇に帰る頃

僕を夢から引き剥がす為に走る車の窓からは

さっきまでは気付かなかった

夏のにおいがたちのぼる

早死にした病弱な詩人なら

こんな日は妻に

一輪の花でも買って帰るのだろうが

なんせ僕の女房は花なんか愛でる趣味などない

隣で憮然とハンドルをきる彼女に

眠くないかとこえを掛けるのがやっとで

今日感じたことさえ伝えられない

自己満足なことばならいくらでもたれ流すのに

愛する人を今すぐ笑顔にする言葉は出てこない

夜の終わりはこんなにも呆気ない

こんなにもやるせない

せめて彼女の笑顔が見られる瞬間までは

朝日が昇らない事を祈ろう

2012/05/13 (Sun)

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