詩人:しゅんすけ | [投票][得票][編集] |
仕方無く起き上がったのは17時ちょうど
何一つ成し遂げていないくせに
街は満足げに感慨に耽る
夕暮れ時を待ち構える温い静寂が
やけに鼻につく
時折聞こえる負け犬の遠吠えに
伏せてある鏡を思い出して苦笑い
足の指に力が入らないのは寝起きの所為か?
背筋を伸ばすと竦むのは寝起きの所為か?
すぐにタバコに手を伸ばす癖を無くそうと
1分待つことを決めたのは昨日
そんな決めごとを思い出したのは
煙が天井にぶつかって部屋を汚した時だった
別に気に入らないことは何もない
漠然とした苛立ちが街並みを灰色に染める
別に誰かを恨んでいるわけじゃない
釈然としない哀しみが夕空を拳で弾く
ああ
気が狂いそうなんだ
ただそれだけ
痛みを感じない全身の皮膚を
針で何度も刺されるような
壊れたメトロノームのリズムに合わせて
その居心地の悪い感情だけがリセットできないでいる
ああ
気が狂いそうなんだ
本当にただそれだけ