詩人:しゅんすけ | [投票][編集] |
僕は電信柱。
景観工事のために撤去が決まった電信柱。
僕はここに、十五年立っていた。
犬におしっこをひっかけられたり、おじさんの愚痴を聞いたり、時には猫や鳥と遊んだり。
それなりに楽しかった。
台風の日なんか頭が揺れて、危なく倒れそうになったこともあったなぁ。
ちょうど僕が立ったころ越してきたあの子、この前泣きながら僕に奴当たりしてたっけ。(笑)
僕の頭の上を通る黒い線。人間はどうもそいつが気に入らないらしい。
僕は電信柱。
景観工事のために撤去が決まった電信柱。
きのうあの子が書いた、さよならの文字だけは、消さずにおいてくれるといいな。