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R.Y.の部屋


[8] イス
詩人:R.Y. [投票][編集]

いつもの帰り道

独りで電車に乗ってたら
なんだか君を思いだした


放課後
君と過ごした
いつも寄ってた

あの駅に
あの場所に

なんだか突然
行きたくなったんだ



「文化祭の準備で残されてて」

苦しい言い訳で
毎日
まいにち
遅くまで2人で過ごした
あの公園



ゴミ箱の前のイス

君はわざとらしく
嫌がる反応をして
それでも2人笑って
いつも来ちゃってた


別に何もないその場所
僕たち2人がいなくなったそのイスには
いまはもう
誰も座っていなかった


君との思い出は
全部捨てちゃったから


このイスだけは

何年経っても
このままであってほしい


独り座りながら
そんなコト思った


君のコト思い出す度に
ここに来て

きっとホントは
ここに君がいるコト
期待してる


そんな未来の自分を想像してたら


なんだか
可笑しく思えて

独りで笑って
独りで泣いた


あの頃と同じ
ゴミ箱の前のイスで

2009/08/23 (Sun)

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