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鰐句 蘭丸の部屋


[102] WHITE CHRISTMAS
詩人:鰐句 蘭丸 [投票][編集]

幸福に見放された 僕にも クリスマス は訪れる

家族や恋人たちは 温かい団らんを囲んで いつもより 賑やかで楽しい 夕べ を過ごす


ささやかな幸福や楽しい会話 家族からの優しく温かい言葉も もう手に入れる事が出来なくなった 僕でも クリスマスを幸福に過ごす人たちと同じように
WHITE CHRISTMAS
になると いい と願う



イブの夜 しんしん と降り続ける 雪
いつか 黒と灰の街も 雪 が静かに時間をかけて 白 に染めていく



僕は広い駐車場のあるビルに行く
僕はそのビルの広い駐車場に 可能な限り 大きな クリスマス・ツリー を描く

ビルの最上階から見下ろすと 逆さまに見える クリスマス・ツリー



僕は僕のG-SHOCKが 深夜正午 の時報を鳴らす直前に
僕の描いた クリスマス・ツリー に向かって 落ちて行く



僕は僕のクリスマス・ツリーの最上部に僕自身の等身大の 星 をデコレーションする

僕だけの クリスマス・ツリー を完成させる

とっても寂しくて
とっても素敵な
僕だけの クリスマス・ツリー を



星 になった時 僕にもやっと 言えそうな気がする
その言葉の意味は知らないけど
「Merry Christmas」

2023/12/24 (Sun)

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