優しかった人が変わっていく あんなに温かく包んでいてくれた掌は 今は誰のものでも無く 楽しかった思い出は 残酷な記憶の塊となり 心を押し潰す重石でしかない きっと涙は死ぬまで枯れる事は無く 流れる度 愛情 という体温を奪い続ける 優しかった人が変わってしまったのは 誰の所為でも無く 運命だったんだ と 自分 に云い聞かせて 深く閉じた瞼の淵で 眠り続ける
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