ホーム > 詩人の部屋 > 鰐句 蘭丸の部屋 > 夕暮れの河辺り

鰐句 蘭丸の部屋


[388] 夕暮れの河辺り
詩人:鰐句 蘭丸 [投票][編集]

気持ちが落ち込むと
よく来る河辺りの橋の下
この季節だと雑草はきれいに刈られ
散歩をする人影もなく
寂しく
そして
寒い

軽トラのラジオの電源も切って
遠くから聞こえる電車の踏切の音
飼い犬の声
風は無い

仕事の忙しい時期を過ぎて
気がつくと
自分から離れてしまった事実を知る

過ぎた事
覆せない事

諦め

人は簡単に言う
簡単に出来るんならしてる

簡単に出来なきゃ
いけないんだろな

この河辺りで

こうして
過去に変える
此処はそういう作業の場所

あまり来たくは無いが
来なきゃ
前に進め無い

もう
暗闇に包まれて

「落ち着いたかい?」

暗闇に問われ

しばらく目を閉じ

軽トラのエンジンをかけて
ギアを前に
入れる

2016/11/17 (Thu)

前頁] [鰐句 蘭丸の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -