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鰐句 蘭丸の部屋


[78] 臆病者
詩人:鰐句 蘭丸 [投票][編集]

いつの間にか 臆病者になっていた

少し前までは 俺は馬鹿で 正直で 優しくて 上辺だけじゃなく強い はずだった


愛する事 信じる事 友達 希望 優しさを引き替えに俺は
臆病者 を 手に入れてしまった

生命を賭けて愛して信じた愛する者は家族を捨てて去り
親友と信じた奴の捨てゼリフは
「友達でいてやったのに」

俺は心を閉ざした

馬鹿でいれば騙される
正直でいれば損をする
優しいとつけあがられる

弱いのはまっぴらゴメンだ

もっと 強く なる為に もっと 強く なる為に

俺は
馬鹿を捨てた
正直を捨てた
優しさを捨てた

愛してるとは言わなくなった
裏切られた時に悔しい思いをしない為に

人間を信じなくなった
騙されて損をしない為に

そして

そして

手に入れたモノは

臆病者の俺

手に入れたくなかったはずの

臆病者 だった

2003/11/18 (Tue)

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