詩人:鰐句 蘭丸 | [投票][編集] |
母よ 今は亡き 母よ
床ずれの身体を病室のベッドに横たえたまま病の名も告げられないまま しかし そこはかとなく 知っていた 母よ
あなたの身代わりになりたかったのです
俺よりも あなた を必要とする人間がどんなに多かったか
胃を全摘した時も あなたに 俺の胃をあげたかった
亡くなる日
黄疸がでて 脈が止まってもなお 大きく呼吸し 目を開いて 生きたい 意志を強く主張した
でも そんな あなたに俺が最後にかけた言葉
「もういい」
叫んでいました
生きたいあなたに
もう生きなくていい なんて
なんて 親不孝な息子でしょう
母よ
俺は今もあの日の あなた を 忘れる事ができません
生涯 最大の親不孝をした あの日を