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ジョーブの部屋


[276] である
詩人:ジョーブ [投票][得票][編集]

軋(きし)む音は彼の考える時間の始まりで

床から椅子が片面宙に浮く時に

一人の小人が彼に耳打ちをした

「これは錯覚じゃない真実だ。幻聴なんかじゃない真実だ」

そう聞こえたら、彼のまわりから不思議な色のもやが浮游しはじめた

怖いのは幽霊という存在を意識してしまう事

恐ろしいのは声から妄想が頭の中に飛び交い

信じてしまうこと

誰にも本当にちゃんと説明できなぐらいの不思議な世界になる時

彼は病がきたのだと信じ、落ち着き瞳を閉じる

机の引き出しから薬を一粒とり出して飲みほすと

小人は窓際に立ち

「また来るからな」

と呟いた

とてもとても小さな声で


病なのか、真実は声が聞こえる事はたしかで

それが普通なんじゃないかと思ったりもする

病なんだろう。他人の耳には聞こえない声がするから

正常じゃないのだろう

だから病なんだろう

似たような同じ体験をする方は居るのだろうか?

居たならば、一緒にいたらば同じ声がするのだろうか?

今宵も窓から知らない場所の風が入り

かすかに知らない場所の匂いがした様な

2018/02/28 (Wed)

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