詩人:季里亜 | [投票][編集] |
貴方が発した冷たい一言の後に、大粒の涙が、私の頬をまるで名残惜しいかのようにゆっくりと濡れた痕をつけながら伝った。
涙は私の足元にポタポタと微かな音を立てて落ちた。
頬に流れる涙の微かな温もりを感じながら私は強く拳を握り締めていた。
拳は微かに震えていた。
噛み締めた唇も微かに震えている。
何か言いたくても余りの絶望感で言葉も出てこない。
相変わらず止まらずに私の頬を伝う涙。
絶望の涙をとめどなく流す私の目は一体どんな目をしているのだろう……
きっと輝きを喪った哀しい目をしているのだろう…
聞きたく無かった、貴方からの一言の言葉。
『さようなら。』
私の頭の中では貴方と過ごした楽しい日々が蘇っていた。
初めてのデート、初めての抱擁、初めてのキス…。
何もかも楽しい思い出ばかり…
なのに…
何で…?
私を…嫌いになったの…?
貴方が私を嫌いになっても…
私は…
貴方の事を嫌いになれないよ…
愛しているから…
貴方が去っていくのも、二度と振り返ってくれないのも分かっているから…
一つ言わせて…?
『まだ好きでいても良いですか━…?』
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