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ならかの部屋


[132] てのひら
詩人:ならか [投票][編集]



彼女の逃げ場所は
自らの両てのひらの中のみ


彼女の隠れ場所は
自らの両てのひらの中のみ



だって、
怯えている時は
顔を両てのひらの中まで逃がせば
誰にも気付かれないから

慰められるのは嫌だから



だって、
泣いてしまった時は
顔を両てのひらの中で隠せば
誰にも気付かれないから

泣いている場合ではないから





怯えたらいけない


泣いてはいけない


逃れる場所は
両てのひらの中のみだから

本当の顔の居場所は
両てのひらの中のみだから



さあ
早く

彼女は顔を覆う


2006/08/15 (Tue)

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