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ならかの部屋


[247] 老人
詩人:ならか [投票][得票][編集]

カントリーロード
このみ〜ち〜
故郷へ続いても〜


なんて歌がありますが
今や新幹線の線路が故郷へ続いてる時代で


久々乗った地元の電車にて
おじいちゃんたちの会話に
イヤホンをはずし
耳を傾ける

見知らぬ老人同士なのに
被ってる帽子を外し頭を下げる
どこに行かれるんですか
ちょいと登山にね、
暑いから気をつけて

揺られる少しばかりの時間
話すことは孫の話

孫は私と同い年くらいらしい


孫にお小遣いをあげようとすると
じぃちゃんいいからと
断られるんだよと嬉しそうに話す
そうなのようちの孫も
今年就職して
ばあちゃん少しやけどこれ使ってって
いらんいらんって断るのに
ばあちゃん毎回お小遣いもらってるからと
渡された封筒
お小遣いの立場が逆だね、と
嬉しそうに話す

目的地に着くと
じゃあねと温かな空気を残して去っていった

私もあのような老人になれるだろうか
電車で隣人と無言を突き通すのではなく
温かい会話ができ
孫にきちんとお小遣いをあげて
少ない初任給の孫からのプレゼントを貰える


そんな温かい老人になりたい

2011/06/18 (Sat)

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