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minaの部屋


[21] ベンチ
詩人:mina [投票][編集]

あのベンチ

あの日キミに

『ちょっと待ってて』と

座らせた

木のベンチ




キミを残したまま

アタシは

忘れ物を取りに帰った




急いだ

とにかく急いだ




待ってくれている

キミが居たから




キミの元へ

戻った時

キミが居た




夜の住宅街

優しいオレンジの外灯

ぬくもり溢れる木のベンチ

少し冷たい夜風




キミは笑顔だった

いつものように

右手を差し出し

アタシの左手と繋ぎ合わせ

2人は歩き出した




普段あのベンチは

誰も座らない




お年寄りも

子供も

座ってるとこ見た事がない




だから

だから余計に

キミを座らせた事

後悔してるんだ




あのベンチを見るたび

あの日を思い出し

居ないはずのキミを探す




寂しさに襲われ

切なさと後悔を噛締め

あのベンチの前で

今日も立ち止まってしまう




そして想うんだろうな

【キミはもう居ない】と

2006/05/21 (Sun)

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