詩人:EASY | [投票][編集] |
座ると幸せになれる椅子など
存在しないが
幸せな奴が座る椅子なら
存在する
金が人を幸せにする事はないのだが
幸せな人が金を持つことはありえる
天国で人が幸せな訳ではないのだが
地獄で幸せな奴は存在する
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僕にはその形が
想い出せない
僕にはその匂いが
想い出せない
僕にはその声が
想い出せない
僕にはその
辿って来た道が
想い出せない
ただ僕には
この花や
夕日や月や夜空の様な
愛しさだけが残ってる
そしてまた
僕はこの場所で
沢山の人と出会い
沢山の景色を眺め
愛しさだけを身につけて
今よりもっと美しい
花をきっと見るだろう
今よりずっと愛おしい
夕日をきっと見るだろう
想い出せない愛しい人よ
あなたは僕の目に映る
花や夕日に景色を変えた
月や夜空の光りに変えた
僕が何かに想いを寄せる
愛しい気持ちに姿を変えた
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医学上健全な目を持った
青年は
僕の目は盲目だと言った
裁判所で無銭飲食を問われた老人は
私の職業は詩人だと言った
通りすがりに時間を聞かれた男は
相対性理論を語りだした
四つ葉のクローバーを探していた少女は
四つ葉を見つけて幸せになった
プロ棋士に将棋で勝ったコンピューターは
喜び方を知らなかった
だから
この不景気の最中僕は
仕事をやめてロト6を買ったんだ
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農薬にまみれた野菜を
僕は美味しく頂いた
そしてきっと
無農薬野菜を使って作られた
有名な料理人の料理も
僕は美味しく食べるだろう
僕は比較的味には疎く
大抵のものは
美味しく頂ける
僕が不味いと言った料理は致命的だと言えるだろう
そしてそれは同時に
僕の特権でもある
それは丁度
ミシュランの3つ星の様なものであり
凄腕の料理人の特権の様なものである
彼のお墨付きを貰えたその料理が
本物であるのなら
僕のお墨付きが貰えないその料理は
偽物であるからだ
彼は簡単には
美味しいとは言わないが
僕は簡単には
不味いとは言わないのだ
どちらも同じように
簡単ではないのだ
どんなものでも美味しく料理する料理人と
どんなものでも美味しく頂ける僕は同じ様なものであり
つまりは
良きライバル関係にあるのだ
ただ普通のライバルと違う所は
切磋琢磨は出来ない事だ
そして密かに
僕は彼に勝つ自信がある
美味しいものを沢山頂けるというフィールドの上でなら
僕は密かにではあるが
彼に勝つ自信がある
しかし
同じ様なものである
僕と彼の間には
決定的な違いがある
それは同時に
僕から彼への
申し訳のなさである
彼は努力してるのに
僕は何もしていないのだ
それは丁度
夜空に輝く3つ星の様なものであり
地球の地球人の特権の様なものである
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何処に何があり
その何かが何をしているのか
僕には皆目
見当がつかなかった
街を歩く殆どの人々も
僕同様に
それを知らない様子だった
それどころか
その殆どの人々は
それについて
何も疑問を抱いていない様である
その殆どの人々は
僕の言っている事自体が
皆目見当がつかないのだ
僕はただ一人
我々と言う言葉の意味を失いながら
数億光年先の恒星の光りよりも
深夜のコンビニの光りを象徴とした
この場所で生きていかなければならない事に
ため息をついていた
そのすぐ後に
コンビニで買った
缶コーヒーを飲み
何光年か先の星を眺めながら
その情景を
ひとつの作品の様に
心の中に張り付けて
その何かが
大切な何かである事だけを
心に繋ぎ止めた
そして僕は
これだけは
忘れないでおこうと強く思い
また何処かに
何かをしに
歩き出して行くのだ
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八位を目指せ大会で
八位になって一位になった八位と
一位になって一位になれなかった一位は
その大会を通じて
順位よりも個性を
大切にするようになった
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心には色があり
知能には数字がある
心には深みがあり
知能には指数がある
心には個性があり
知能には優劣がある
心には経験があり
知能には記録がある
心には愛しさがあり
知能には欲望がある
僕たちの心には
日々身に付くものがあり
僕たちの知能には
日々失うものがある
それは
僕たち自身が
心であるのか?
知能であるのか?
どちらであるのかによって
選択できることだ