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本当は分かっていたって
そんな素振りは見せない
我慢比べを
しているだけさ
そこにある
ほんの少しの木漏れ日に
僕は恋をする
春の癖に生意気に
寒かったりする今日は
たまの休みに歯医者に行って
歯を抜いたりしてる日だ
今日は、お酒と入浴は
どうか、控えてくださいね
先生はそう言った
僕は僕らしく
入浴は避け、お酒は飲んだ
君のことが好きなのに
それを避け、君を好きでいる
いつもの僕と
同じことだ
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幻影が顔を出し
こっちを向いて笑ってる
その、こちら側では
命を肥やしにして
人々が
畑を耕している
空の美しさは
空前絶後であり
限界まで達した
表面張力のように
その瞳は潤っている
紀元前から続くジェスチャーは
まるでゲームのように
僕たちを虜にして
幻影に顔を出し
そっちを向いて笑ってる
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欲に駈られる人間達を
僕が好きな理由は
10回に3回打てば
良いバッターである理由と
ほとんど同じだ
晴れた日に空が青いのを
僕が好きな理由は
監督が出すバントのサインが
普通過ぎるのと
ほとんど同じだ
どうしようもないのに
君が好きな理由は
ワールドシリーズ第7戦で
サヨナラボークをする理由と
ほとんど同じだ
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風は静けさと共に
この部屋に同居して
僕はそれらを取り繕い
ほどけやすそうに結んでいる
外に向かって膨らんだ
真っ黒なカーテン
いつもは僕の足に触れ
イライラするのに
そうであればあれで
なんだか寂しい
不老不死が空しいことと
同じじゃないか
全てがうまく行ったら
愛することが出来ますか?
風は静けさと共に
そう言った
形のあるものは
いつか朽ち果てる
「ずっと一緒にいたい!」
「永遠はないの!」
それなりのことは
それなりの意味で
それなりに秘密に
僕たちはしている
外に向かって膨らんだ
真っ白な僕ら
そうであればあれで
なんだか愛しい
時は静けさと共に
この星に同居して
神はそれらを取り繕い
ほどけやすそうに結んでる
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物理学者と哲学者が
机を挟んで対峙する
その斜め後ろでは
経済学者も待機する
その更に右下の方では
その妻たちが対峙する
その更に正面から見て
少し左側の方では
その妻たちが作る
スクランブルエッグが見えて
その味を吟味したい僕は
その更に右側に位置して
それ故の温かさに
酔い知れようとしている
西陽が好きな人間だ
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君は仕事に熱心だ
良くも悪くも熱心だ
君は金になんちゃらだ
良くも悪くもなんちゃらだ
才能とか努力とか
大体そんなことを言う
子孫に残す何かとか
法律の話しとか
節約の方法か
恋する為の方法や
あらゆる分野のテクニック
春の昼間のピクニック
色々分析した上で
それでも僕は恋をする
それでも分析する僕を
僕はとても大嫌い
それくらいに跳ね飛んで
僕は君が大好きだ
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世界は今日も混沌で
画期的で曖昧だ
これでもかって言う程に
僕は君を愛してる
世界的な情勢は
核をミサイルで花火して
私的な君の残像は
僕をミサイルで打ち堕とす
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その小さなタッチパネルから
手を放すんだ
イヤホンも外そう
煙草は全て吸い付くし
雨に濡れない理由を問いただそう
スケジュールは白紙にして
流れるボサノバに体を揺らし
一瞬だけ目を合わそう
こんな平日の昼前に
誰も言葉を交わさずに
コーヒーを飲みあった仲じゃないか
ボサノバはビートルズに変わり
僕は、コーヒーに溶けた