詩人:EASY | [投票][編集] |
誰が悪いことはない
何が悪いこともない
僕が悪いことはない
君が悪いこともない
悪者も悪いこともない
正義が悪いこともない
悪くて誰も困らない
悪く在るべき悪しきものも
一向にして悪くない
同じくらいに善くもない
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君に恋する僕の気持ちに
僕にできることは何もない
同じ様に
君を幸せにする為に
僕にできることは何もない
それは
妨げてはならない
渡り鳥の進路と
価値がなければならない
人々の存在を
同時に説明しようとする
人類の苦悩の様なものであり
道徳的にできる事の限界と
道徳的ではない僕たちのストーリーを
区別し、受け入れ
手を取り合うために必要な
ひとつのきっかけにはなりそうだ
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泣いているっていう感じ
笑っているっていう感じ
怒っているっていう感じ
そんな風に感じてる
感じているっていう感じ
そういう様な事柄を
説明しようとしたくない
そんな種類の天才が
人工知能をリードする
泣いているっていう感じ
笑っているっていう感じ
怒っているっていう感じ
そんな自分を感じてる
感じているっていう感じ
そういう様な感覚に
優劣順位をつけたがる
そんな種類の僕たちが
不幸で幸に嫉妬する
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僕は歩き出す
それは未来ではなく
過去でもなく
とても意味のありそうな
最もらしいものじゃなく
僕は歩き出す
それは意思でなく
導きでもなく
とても価値のありそうな
共感され得るものじゃなく
僕は歩き出す
それはただ単に
それとなく
そうであるべきかの様に
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痛みはそこにあるが
それが僕のものである証拠はない
僕はいちいち
枯れ葉ひとつひとつを拾い上げ
それを
僕のものであるとは主張しないのだ
だが
それが
僕の欲しいものだったら
どうだろうか?
僕は僕のものだと
主張するのだろう
例えば財布とか
可愛い子猫とか
結局
痛みとか
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天気の話しをし尽くした僕らは
暫しの沈黙に入る
その焦りは隠しようもないので
耐えきれず
誰かが愚痴を口にして
皆でその同盟を組む
だが
その結託も、また薄すぎて
隠しようもないので
耐えきれず
誰かが昨日の晩飯の話して
一様に盛り上がる
その後また
暫しの沈黙に入る
僕たちはどことなく
不安な顔をしながらも
次の話題を待つ
その愛しさは隠しようもないので
僕たちはわざわざ
この愛しさを話題にはしない
その愛しさを
ほんの一瞬確かめた後
その溢れかたに耐えきれず
誰かが
明日の天気を話し出す
一様に頷き出した僕たちは
我に返ったかのように
その隠しきれない愛しさを
またいつもの様に
懸命に隠している
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観念への膨大なメモ書きが始まる
生まれた瞬間に手渡された
このノートは
今や数え切れないほどの数になり
僕の部屋に山の様に積まれている
書き直したい所は山ほどあるが
山ほどのノートの中から
それを探すのは
ほぼ不可能であり
見つけた所で
この漆黒のペンで書かれた文字を
消すのは至難の技だ
最後の手段として
僕は何度も
この部屋から出て行く事を試みたが
僕の全てを捨ててしまう様な気がして
その一歩が踏み出せない
僕はその間も
何かに取り憑かれたかの様に
メモ書きをしている
外の様子は気になるが
山の様なノートは
窓さえも覆い隠す
時々インターホーン越しに
外の人との会話をするが
インチキなセールスや
怪しい宗教の勧誘にしか聞こえない
その会話さえ
この山の様なノートから抜粋してる
僕の危うさが
そうさせているのだろう
僕の部屋にはテレビがあり
メモ書きのテクニックを教える番組が
繰り返し放送されている
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そう言い放つ目は
瞳とは言い難く
必ず水平よりは少し
上を見ていて
目が合いそうで合わないのだ
僕は一度
それを注文したが
それは
驚くほど精巧な地図の描写で
目的地を設定するだけのものであった
それすら僕は
メモをするに過ぎないのだ
そしてそれは
いつかこの部屋を出るまで
続いて行くのだ
いつかは必ず
この部屋から出て行く
やって来たからには
出て行く日が必ず来るのだ
僕が僕であるが為の
山の様なノートを後にして
僕はこの部屋を後にする
そして
互いに
ノートでしか見たことのない
君に会いに
あの約束の場所へ
向かうのだ