詩人:EASY | [投票][編集] |
思考に彩られた制約を駆使して
それは行われる
明日との距離感は
とても精密なもので
それはいつの日も
今日という日の
次の日である
瞬く間もなく繰り広げられる
演劇の最中に
注意深く見つめるものが
愛であったらどんなにも
救われるものであろうか?
これは
苦しみの正体ではなく
苦しみの在り方なのだろう
言葉ほど曖昧なものはなく
それが愛と呼ばれることも
なくはないのだ
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まるで
間違い探しをするかの様に
列なった街灯を眺める
気づかれない程の微妙なカーブを
描くこの街道
寒い時に吐き出される
息は白く
煙草との因果関係を
何らかの必然性として
表現している
信号を無視する僕の姿を
怪訝そうな表情で見つめる外国人を見ながら
何よりも小さそうな罪悪感を
僕は背負うのだ
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何か問題がある時に
僕はそれを横に置き
寝たりする
眠いからだ
僕はそれを棚に上げ
食事をしたりする
お腹が空いたからだ
僕はそれを空に上げ
風に吹かせたりする
綺麗だからだ
それがあまりにも大きい時は
ほったらかしにする
すると
それは小さくなっていたり
色が変わっていたり
大切なものになっていたり
見つからなかったり
ゴミになっていたりする
色んなものに変わってる
僕はこのことを知ってから
問題をあまり抱えなくなった
ただ
ほったらかすようになった
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夢の中で夢だと気づくのは
どんな感じだろうか?
そして
夢の中の知らない人に
悩みを打ち明けられるのは
更にどんな感じだろうか?
取り合えず真剣に
話しは聞くが
どう答えたらよいのか?
答えるべきなのか?
そもそも聞くべきなのか?
それさえも
本当には
分からない
これは
答えを忘れた子供が出す
なぞなぞの問題の様なもので
その答えが大人たちにも
分かりそうで分からない
そんな時に浮かべ出す
表情にも似ている
夢の中で悩む知らない人達は
僕が作り出した人なのだ
文字通り僕が目覚めれば
夢は一切消えてしまう
僕からすれば
悩みを聞いている暇があるのなら
空を飛んでみる方が
いくらか価値がありそうだ
もし愛が
呼吸の様なものならば
「僕はもうすぐ夢から覚める
心配はいらないさ」
と
それくらいは
言えるかも知れない
でも
そうする為に費やすものは
感情とか努力じゃない
情熱ですらないもので
僕の知ってる溢れたものを
簡単に否定する
とても冷たい孤独である
だから僕は夢の中で
僕の夢の中で
この細やかな
儚さの中で
誰のせいにも出来ない
この僕の夢の中で
君を必要以上に
抱きしめてしまうんだ
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僕は
一般的に言うような
人好きではない
大勢でいるのは
好きではないし
必要だからそうすることはあっても
その煩わしさは拭えない
でも一方では
どうしようもないほどに
人を愛しく思う
それは
強がるほどに
僕をそうさせる
格好つけてもみんな
お腹は空くし
どんなに気取っても
ため息はつく
普通に愛しい人達は
人の悪口は言っても
自分は良く思われたい
それは裏を返せば
本当は辛くても
そんなことしか口に出来ない
強がりにしか見えなくて
僕からすればそれは
愛くるしさの表現だ
あれ知ってる?
知ってる知ってる!
あれでしょ?
僕たちはいつも同意する
それに
乗り遅れてはならない
その焦りに対する
僕らが見せる微笑みは
それに対して行うものだ
子供の時に手放した
風船が飛んで行く空の
それを想像できるなら
その空と同じくらい
僕たちは広くって
その空と同じくらい
僕たちは愛しくて
その空と同じくらい
僕たちは切ない
でも
僕から見た君は
その空よりずっと愛しくて
その空よりずっと切なくて
その空よりずっと
愛くるしいものなんだ
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僕が宝くじを買う理由は
ほど遠くも儚きものだ
一等が当たった時に
どんなことを思うのかという
好奇心と呼ぶ為に必要なものを
ギリギリに満たした
その様なものだ
野球が嫌いなのに
壁にボールを当てて取る事しか
楽しみのない子供が
グローブを親にせがむのを
想像出来るなら
その様なものだ
僕は大抵
スケジュールの空いた休日の正午に
宝くじを買いに行く
信じられないほどの無気力と結託し
宝くじ売り場に向かうのだ
どうでもいいにも程がある程の
適当さを信条に
僕はナンバーをマークする
そして
下町の総決算
とでもいうような
おばさんとの接触を図る為に
その列に並ぶのだ
その列に並んでる間に
考えることは
その日の夕食のメニューである
気づかれない事が多いが
夕食を考える為に
最も適した環境は
宝くじ売り場の列なのだ
僕はそう思われる事を
望んでいるかの様な愛想笑いで
当たれば良い様な顔をして
その
遠くも儚きものに
酔いしれる
それに適した温度は
春か秋の真ん中辺りの
17度前後の昼下がりであるが
そんなことを予報する天気予報は
途方もない年月を経ても
放送されることはない
そして
信じられない程
無気力な僕が
ワイドショーを見ながら
みずほ銀行の場所をチェックするのは
どれ程までに
ほど遠くも儚きものか
想像すらも憚れるのだ
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もし君が
迷わず行くというのら
兆候としては良いものだ
もし君が
迷うことがあるのなら
前兆としては良いものだ
もし君が
悪いものと思うなら
それでも良いと思うのだ