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ベランダから見える夕日は
中途半端に輝いて
目の前の公園の
子供の声を安くする
隣の酒屋のおじさんが
毎朝掃除してるのは
ゴミがある訳じゃなく
やることがないからだ
たまに挨拶する人の
住んでる家は分からない
僕が住んでる場所だって
地球かどうかも分からない
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凍えながら食べる
在り来られたバニラアイス
一本の巨木から
1兆本は取れそうな
平べったいアイツで
ヒマラヤを削り取る
大地は隆起し
マグマは氷河を溶かす
真っ暗な
ブラックホールが口を開け
それを呑み込んだ
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適当に散らばった
運まかせの憂鬱が
僕たちの間を
優しい感じで埋めていく
簡単に口にして
簡単にすれ違う
簡単な黄昏
リアル過ぎて
まるでCGのように
見えてしまうのは
僕たちが素粒子から
できているからなのか?
ほら、見て
幸せを捕まえる網を
作ったよ
夏になれば
蝉くらいは捕まえられるかも
せめて
祈る為に必要な
僕たちの儚さを
運任せの風に乗せ
憂鬱の方まで飛ばしてよ
幸せになりたいなんて
言ったりしないから
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僕らは綿毛のように
ふわふわと降り注ぎ
この道に降り立った
悪気なく罪もなく
すべてに笑顔を振りまいて
教えられたのは
正義の味方の勝ち方と
悪者の敵の負け方だ
分けなければならないのは
分ける為ではなく
分けなければならないのは
分けなければならないからだ
空の描き方は
青くなければならないし
名前は
呼ばれなければならない
道徳は
心になくても構わないし
気持ちは
隠さなければならない
音符は見ちゃいけないし
絵は聞いちゃいけない
本当のことは
正しくなきゃいけないし
幸せは
掴まなきゃいけない
僕らの綿毛は
黒いタールを染み込ませ
地面にベッタリ張り付いた
幸せと命には
どんな繋がりがあるの?
砂浜に描かれた文字が
波で薄くなっている
僕たちは
いつか死ぬよね?
いや
死なない
忘れたの?
僕たちは、いつまでも
悪気なく罪もなく
綿毛のようにふわふわと
すべてに笑顔を振りまいて
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精密機械で測ったような
夜空の下の日常で
僕は花を探してる
大きな鏡に映ったような
得体の知れない表情で
僕は花を探してる
誰かに消された挿し絵のような
輪郭のない表象で
僕は花を探してる
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僕は酔えば
ほぼ完璧に涙を流す
その確率を導きだす
計算は嫌いだ
僕は例えば
ほぼ完璧に迷う
その正体を暴き出す
真実は嫌いだ
僕は笑えば
ほぼ完璧に笑いだす
その時、君がいないのは
僕は嫌いだ
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誰もいない、空っぽな家
とても簡潔に、整理された
平安を基調とした、家だ
それは、小高い丘の上にあり
都心から、程よく離れた位置にあり
とても晴れた昼間には
何よりも完璧な
コントラストを漂わす
上流層の一般的な
ハッピーエンドが似合う家で
静止画のような光りの中に
佇む街にある家だ
各々の部屋には記憶があり
機能性があり
感情をくすぐる様な
懐かしさはあるが
サイボーグの様な冷たさと
忘れた夢の様な切なさがある
キッチンのまな板の上には
包丁があり
何かを切ろうとしていた
形跡だけがある
家に射し込む光りが、それを
スポットライトの様に
照らしていて
光りの儚さだけを
誇張している
二階に上がると
いくつかの部屋があり
窓はすべて開いている
小高い丘の上に吹く風は
カーテンを力いっぱい靡かせて
その日射しを
誰もいないこの家で
背中合わせの両端を
言葉にさせなくさせている
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のっぺりとした表面に
反射している光りの雲は
淡い何かを打ち付けて
冬の昼間に下がってる
末期過ぎてる結末を
等分している数学者
緊迫感に頼まれて
くすぐる位置を間違えた
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君は、ぽっかりと
口を開け
ため息をついた
空は、ぽっかりと
口を開け
世界中のため息を
飲み込んだ
僕は、どっかりと
座り込み
それを
見届けた
子供に名前をつけるのは
名前のない色に
名前をつける
そんな、感じがするのかな?
子供がいなくて目も悪い
僕には
想像力しか
頼るものがない
世界中のため息を
風船に詰め込んで
飛ばしたら
綺麗に見えるかな?
君は、ぽっかりと
口を開け
ため息をついた