詩人:EASY | [投票][編集] |
もしこの世界に
素晴らしい事があるのなら
それは切なさだ
心の中でしか祈れない
そんな種類のものさ
僕の物語に
君が居たように
君の物語に
僕が居たことだ
僕らはもう出会わない
それは遠くに離れ過ぎた
その方がこの星は
とても綺麗に見えるから
僕たちはお互いに
それでよかったことを
知ってるんだ
君が幸せでいてくれたらと
僕が思うほどに
僕の幸せを
君は願ってくれる様な
もう
君と僕は出会うことがない
この空の美しさを守る為
僕たちはそうした
儚い花の美しさを
語り継いで行く為に
僕たちはそうしたんだ
僕と君は
新しい世界の中で
ずっと歩いていく
ふとした時の
遠い景色に想いを寄せて
僕らはみんな生きていく
とても大切な何かを持って
僕らはみんな生きていく
儚くて切なくて
愛しすぎるそれを
沢山手に抱え
僕らはみんな旅をする
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最新鋭の精密機械で印刷された
ただの紙を
僕はコンビニに払う
その代償として
僕はサンドイッチを受け取る
人の運動を妨げる
自動ドアを出る瞬間
「ありがとうございました」
と
儀式的な礼を受け
僕はそこを後にする
目の前には
自然の摂理に則った
草食動物の群れを思わせる
人の流れがあり
そこには恐怖の二文字が垣間見え
これまた自然の摂理に則った
弱肉強食を思わせた
僕は
生物学的理論に基づいた
空腹を満たす為
コンビニの前でさっそく
ただの紙の代償で手に入れた
サンドイッチを貪った
この人生は
滑り台とブランコと砂場のある公園の様に
平凡なものかも知れない
少なくとも
アポロ11号で月に行く人生よりは平凡なものだろう
たった今僕が
綺麗な月を見て思い付く事と言ったら
それくらいの事なのだ
退屈な僕は
数百メートルもありそうな巨大魚が
川に打ち上げられでもしないかと
橋の上から川を眺めて
橋の向こうにある
蛍光灯の眩しすぎる
いかにも現代的なあの部屋を
目指さなければならないのだ
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何も考えずに
こうやって橋の上から
この美しい川を眺められる時間は
人生にどれくらいあるのだろうか?
もしかしたら
ほとんどないのかも知れない
たった今だって本当は
何かしらを考えて
この美しい景色を
汚してしまっているんだろう
今日の川に流れはなく
橋の上には
いつもの様に車が流れ
しきりに僕の思考の中に
余計な考えを煽り立てている
人生の内に
この美しい川の
本当の景色を
僕は眺められるのだろうか?
きっと
アダムとイブが食べたリンゴは
現在
チロルチョコと缶コーヒーに姿を変えただけなのだ
僕は
それらを流し込み
心の底からそう思う
そして僕は仕方なく
もっと美しいであろう
その川を後にした
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俺は
精一杯の皮肉を込めて
こう言った
なにかにつけて
損得を気にするお前だ
きっと
そこには
何かしらの得があるはずだ
なぁ教えてくれよ
そんなに物事を
否定ばかりして
一体何の得に
なっているんだ?
すると奴はこう言った
俺は別に
損得を気にしてしてる訳じゃなくて
損得を気にしてしまう
自分自身を気にしているだけだ
つまり
お前のその質問には答えられない
答えられたら
否定なんかしてないさ
奴の言葉で
俺の精一杯の皮肉は
広い空に吐き出された
煙草の煙の様に消えて行き
その影響を空より俺に
与えてしまっただけなのだ
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心には色があり
知能には数字がある
心には深みがあり
知能には指数がある
心には個性があり
知能には優劣がある
心には経験があり
知能には記録がある
心には愛しさがあり
知能には欲望がある
僕たちの心には
日々身に付くものがあり
僕たちの知能には
日々失うものがある
それは
僕たち自身が
心であるのか?
知能であるのか?
どちらであるのかによって
選択できることだ
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八位を目指せ大会で
八位になって一位になった八位と
一位になって一位になれなかった一位は
その大会を通じて
順位よりも個性を
大切にするようになった
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何処に何があり
その何かが何をしているのか
僕には皆目
見当がつかなかった
街を歩く殆どの人々も
僕同様に
それを知らない様子だった
それどころか
その殆どの人々は
それについて
何も疑問を抱いていない様である
その殆どの人々は
僕の言っている事自体が
皆目見当がつかないのだ
僕はただ一人
我々と言う言葉の意味を失いながら
数億光年先の恒星の光りよりも
深夜のコンビニの光りを象徴とした
この場所で生きていかなければならない事に
ため息をついていた
そのすぐ後に
コンビニで買った
缶コーヒーを飲み
何光年か先の星を眺めながら
その情景を
ひとつの作品の様に
心の中に張り付けて
その何かが
大切な何かである事だけを
心に繋ぎ止めた
そして僕は
これだけは
忘れないでおこうと強く思い
また何処かに
何かをしに
歩き出して行くのだ
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農薬にまみれた野菜を
僕は美味しく頂いた
そしてきっと
無農薬野菜を使って作られた
有名な料理人の料理も
僕は美味しく食べるだろう
僕は比較的味には疎く
大抵のものは
美味しく頂ける
僕が不味いと言った料理は致命的だと言えるだろう
そしてそれは同時に
僕の特権でもある
それは丁度
ミシュランの3つ星の様なものであり
凄腕の料理人の特権の様なものである
彼のお墨付きを貰えたその料理が
本物であるのなら
僕のお墨付きが貰えないその料理は
偽物であるからだ
彼は簡単には
美味しいとは言わないが
僕は簡単には
不味いとは言わないのだ
どちらも同じように
簡単ではないのだ
どんなものでも美味しく料理する料理人と
どんなものでも美味しく頂ける僕は同じ様なものであり
つまりは
良きライバル関係にあるのだ
ただ普通のライバルと違う所は
切磋琢磨は出来ない事だ
そして密かに
僕は彼に勝つ自信がある
美味しいものを沢山頂けるというフィールドの上でなら
僕は密かにではあるが
彼に勝つ自信がある
しかし
同じ様なものである
僕と彼の間には
決定的な違いがある
それは同時に
僕から彼への
申し訳のなさである
彼は努力してるのに
僕は何もしていないのだ
それは丁度
夜空に輝く3つ星の様なものであり
地球の地球人の特権の様なものである