詩人:EASY | [投票][編集] |
僕は
姉がいるから弟で
上司がいるから部下となり
コンビニに行けば客となる
店員さんがいる事で
地球には
犬や猫がいたりして
どうやら僕は人間だ
僕はただ人間で
そうでしかないけれど
女の人に恋をした
それなら僕は男だね
他人がいるから僕だけは
他人じゃなくて僕となり
肌の色が違うから
聞かれてしまえばアジア人
ワールドカップの対戦国と
健闘誓い合えたから
この熱狂とハラハラは
楽しい僕は日本人
名前をつけてくれたから
呼んでくれたら振り向くよ
死んでないから生きていて
誰かが僕と目が合ったから
僕も誰かと目が合った
君がそこにいるから
恋をして
笑顔して
涙して
熱くって
怒ったら
ごめんなさい
ありがとう
駆け巡る
僕が僕である事は
僕以外のすべてから
組み立てられているんだね
僕一人では
僕は僕を眺めても
それが僕かもわからない
僕を取り巻くすべてのものが
僕の存在そのものだ
僕を取り巻くすべてのものが
僕自身
僕を取り巻くすべてのものが
その中心に
僕の輪郭を隙間なく
寸分も狂いなく
唯一無比の僕にする
僕を取り巻くすべてのものが
消えたら僕も消えていく
僕を取り巻くすべてのものから
僕は僕を意識する
空っぽな僕達は
深い縁で結ばれた
僕を取り巻くすべてのものが僕だから
僕という存在は
僕以外のすべてから
何かを感じている存在
だけど
僕以外のすべてから
感じて初めて気付くんだ
それが僕である事に
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人の気持ちがわかる人になりなさいと
言われ育つ事はどうだろう?
人の気持ちがわかる人に
なりたいと思うのはどうだろう?
誰も傷付けない人に
なろうとするのはどうだろう?
人に迷惑をかけないで
生きて行こうとするのはどうだろう?
それはだいたい良い事と
される世界はどうだろう?
きっとほんの少しのズレで
僕達は長い間
すれ違ってしまうだろう
ほんの少しのズレで
僕達は心を
見失ってしまうだろう
その
ほんの少しのズレで
許す事すら出来なくなってしまうだろう
あるはずのない
烙印を押してしまうだろう
自分も人も愛せない
条件にしてしまうだろう
無条件の愛の中
人の気持ちをわかろうとする人は
どんなに美しいだろう
違う言語を持つ人同士は
恋をしないのだろうか?
誰も傷付けない学習を
塾で身に付けられるなら
きっと役に立つからと
親は子供は先生は
何よりこの世の中は
そこに通ってしまうだろうか?
人に迷惑をかけないで
生きて行こうとしても
その目に映る
花は綺麗に見えたままで
それはいつまでも
僕達の幸せを
ノックする
人の気持ちを分かろうとする人になりなさいと
言われ育つ事はどうだろう?
人の気持ちを分かろうとする人になりたいと思うのはどうだろう?
誰も傷付けたくないと
思う気持ちはどうだろう?
人と助け合いながら
生きていけたらと思うのはどうだろう?
ほんの少しのズレもなく
僕達は許し合うだろう
誰もが人の子である事を知るだろう
誰もが泣くことを知るだろう
誰もが笑う事を知るだろう
一人でこの星に生まれる事ほど不自然な事はなく
共に
この星に生まれた事の
温かさを知るだろう
そんな場所だから
ほんの少しのズレもなく
誰とも違う自分の唄を
自由に僕達は
奏でられる事を
思い出すように知るだろう
綺麗な花と同じように
僕達は唄うだろう
迷惑な花などない事に
素直に唄うだろう
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誰かが泣いていたら
その涙の理由は分からなくても
その涙の色は違っても
誰の涙にも差し出せるハンカチは
たったひとつでいいんだ
色んな涙があるけれど
ハンカチは
たったひとつで
どの涙も拭けるんだ
拭けなくても
差し出す事はできるんだ
泣いた事があるのなら
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良い事と
悪い事の区別を
子供の時に理解して
立派な大人になれるなら
僕達人間の
想像力や感受性は
高い知能に飲み込まれ
感じる事は悪になり
考える事は無駄になり
良い悪いのマニュアルが
人の価値となってしまう
プログラム通りでいいなら
精密な機械のように
僕達の知能は
そこに費やされていく
人間より優れたコンピューターを
人間は作れるほどになったけど
コンピューターが
人間より優れてるのは
計算の早さとか
ミスのなさとか
一度良い悪いを覚えたら
もう
悪い事はしないとか
気持ちじゃなくて
知能みたいなものだから
優れてるのはそこだけで
心を持ってる人間は
コンピューターじゃ作れない
なのに気が付けば
僕達人間は
二足歩行するほどに
発達した知能を掲げ
コンピューターを目指したような
プログラム通りのような
二足歩行に反したような
歩き方になりそうだ
だからきっと
良い悪いよりは
好き嫌いで始まって
色んな事が経験出来る
好き嫌いは正直で
嘘じゃないから身にしみる
きっとそれが経験だけど
知能は知識を詰め込む場所で
経験は心だけがしてくれる
ありがとうやごめんなさい礼儀じゃなくて
書き方じゃなくて
その気持ちは
心の中しか経験出来ないはずだから
いい経験があるように
何事も
悪い事とは言いきれない
あいつが悪いと思っても
あいつの気持ちを知ったなら
何も知らない俺も悪かった
そんな事もあるくらい
心は
答えを探すより
理解の方が適した場所で
人間みんな
生きものみんな
すべての誤解が解ける場所
満天の夜空みたいに広い場所
発達した知能を使いこなそうとしても
心を咎めてしまったら
僕等は知能に囚われる
二足歩行するほどの
知能より
溢れ出すほどの
涙を流す僕達で
良い悪いの形より
気持ちがあっての僕達だから