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EASYの部屋


[1108] 風は穏やかに吹かせるものだ
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僕は

なんの目的もなく仕事を辞めて

なんの目的もなく
また新しい仕事をしようとしている

人は生まれ変わると言われているが

僕は死んでもいないのに
生まれ変わろうとしているのだ

そしてまた
なんの目的もなく

生まれ変わろうとしているのだ

過去のいっさいとの関わりを

僕は止めたのだ

そしてこれからは
訳のわからない未来が

きっと待っているのだ


新しい人間関係を築くのは容易ではない

普通の人間なら
僕もそうだが

それにはかなりの
エネルギーを消費しなければならない


本当なら光合成でもしながら
植物の様に日光を浴びて

生きていければいいのだが

僕はそうもいかない様だ


僕にはお金が必要で
家賃も払わなければならない


なんの目的もないようではあるが

家賃を払うという目的はあるのだ

今さら大家に向かって
家賃を払わないで住まわして下さい
日光浴をしたいからなんて

口が裂けても言えないのだ

口が裂けた所で
追い出されるのがオチでもあるが



僕は死んでもいないが

生まれ変わらなければならない

それは僕の知らない所で

果たされるべき目的なのだ


だから
何も知らない僕は

目的なんかは知らないのだ

僕は
すべての過去を捨ててきたが

記憶にはしっかり留めてある

それは丁度

僕自身であるかの様に
いつもここにあるのだ

記憶ではなく
僕自身として

身に纏っているのだ



僕は変わらないものを
僕の中に持っていて

僕は新しいものを
僕の中に持っている


僕も
歳を取ったのかも知れない

意見が二つに分かれれば
どちらにも頷けてしまい

笑う事しか出来ないからだ

きっとそんな奴は
社会では窮屈なのだ


でも
釣った魚だけで飯は食えないから


新しい仕事を探すのだ



目的なんて
僕の知らない所にあればいい

笑う事しか出来ないならば

それもそう悪くない

2011/03/19 (Sat)

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