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EASYの部屋


[1110] 平日の朝
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目覚まし時計を止めた僕は

もうほとんど夢を忘れてしまっている

その名残だけを便りに
初恋の感覚を思い出す


平日の朝に流れる空気は
その香りを一瞬で消し去る

空気清浄器の様だ






空っぽになった僕の心は
今日一日を詰め込まなければならない

それはまるで

煙草で真っ黒になる事を義務付けられた

子供の肺のようだ






テレビをつける

批判に批判をしているコメンテーターを
批判をするほど批判が好きじゃないので

僕は深く笑ってみせた




僕はきっと朝だから
忙しいはずなのだが

マンネリはよくないと
唐突に思ったので

ベランダに出て取り合えず
景色を眺めた



景色はとても騒々しくて
それは正に朝のそれであった

人々は時限爆弾の装置でも背負っているかの様に

先を急いでいる


鳩とカラスと猫だけが
時限爆弾を持ってない


僕にもそれは可能だろうか

僕はそう考えた



僕は息を大きく吸って
そして吐いた



それを可能にしたのだ




そして僕は言い聞かせた
別に悪い事をしてる訳じゃない


僕はただ

息を大きく
吸って吐いただけなんだ



雲は見たことないくらい
ゆっくりと流れて


目覚まし時計を止める前の

もうほとんど忘れていた
夢を思い出させてくれた

2011/04/03 (Sun)

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