詩人:EASY | [投票][得票][編集] |
夢という
筋書きの分からないドラマを
僕は演じている
そう
本当の僕は
控え室に居るのだ
控え室では
僕はこんな事を思ったりする
さっきは演技にのめり込めた
本当に笑ったし
本当に涙が出たし
本当に愛する事ができた
そう
それこそが
僕の本当の目的だからだ
僕は役者なのだ
僕の役の設定は
僕であるのだ
そうつまり
僕は役の中で
大変な人生を送ってはいるのだが
それは
僕という役であり
がんじからめになる様な
逃れ様のない現実ではないのだ
筋書きが分からないので
今後、宝くじでもあたり
億万長者になるかも知れないが
それもまた
僕の何かを
劇的に変える様な出来事ではないのだ
僕という役の
ドラマの設定に過ぎないのである
そんな事よりも
本当に笑ったり
本当に泣いたりする事の方が
よっぽど意味があるのだ
だがしかし
本当に泣いたり
本当に笑ったりしている僕を
眺めているのが
本当の僕なのだ
その僕は役ではない
それは観賞者なのだ
本当の僕は
観賞者なのだ
それを
行うものではないのだ
業は全てを
観賞する事で
重い荷物の様に
下ろされるのだ
そう
本当に笑ったり
本当に泣いたりするのが
本当の僕ではないのだが
そでれもそれは
本当に泣いたり
本当に笑ったり
している事なのだ
それは
スクリーンに映し出された映画にも例えられる
僕は
その映画の主演を演じる者なのだが
本当の僕は
その映画の鑑賞者なのだ
出来れば
良い映画を観たいものだ
良い映画を見た後なら
世界の景色が違って見えるかも知れないからだ
そんな経験なら
誰にだってあるはずだ
しかしそれは
夢の中での話しだ
僕が今、語っているのは
夢の話しではない
僕の役が僕ではない
演じていない側の
僕達の話しである