小さな手に握られた
ちっぽけな欠片を
探す夢をみた
思い出せない記憶の中に佇んだ
その光りは
失なうことの出来ない何か
傘の差し方より
雨の濡れ方を大切にする
そんな場所に僕はいた
冬の寒さを切なさで温め
ありもしない退屈を
クレヨンで塗りつぶす
弱々しい手の平で
優しく握って
ほんの一瞬しか
チャンネルの合わない
ラジオから流れる
メロディーみたいに
切ないものに恋をする
そんな場所だった
小さな手に握られた
ちっぽけな欠片を
探す夢をみた
見つからないくらいの
小さな掟を
携えた夢を
2022/02/09 (Wed)