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EASYの部屋


[475] 夕日
詩人:EASY [投票][得票][編集]

アメリカの
田舎町の工場で働く青年は
地元の野球チームの
ペナントレースの行方に
一喜一憂している

おそらくは
一生をそこで過ごすであろう青年は
弱い地元の野球チームのせいで
一生を一喜より
一憂ばかりで過ごすだろう

それなりの人生を
一憂ばかりで過ごすだろう

それでも春になれば
今年は行けると意気込んで
開幕戦を見に行って
夏前までは前向きだ

一生に
一度くらいはあるかも知れない
優勝は
どんなに素晴らしいのだろう


青年は大人になって
息子と二人で見に行った

開幕戦もまた負けて

昔の親父みたいに
自分の息子と
キャッチボールをしている

畑の向こうに広がった
地平線に夕日が落ちる

その光りに照らされた
キャッチボールのシルエット



美しい人生が
ほんのひととき

夕日に照らされた

2007/09/16 (Sun)

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