詩人:EASY | [投票][得票][編集] |
人生の約3分1は寝ている
人生が80年なら
25年以上は寝てる
すると
実働が55年と言う訳だ
個人が知ってる事は
せいぜい高々55年
でもその
せいぜい高々55年が
その個人のすべてなのだ
だが
この話しには続きがあり
むしろそこからが
入り口だ
せいぜい高々55年が
自分のすべてであるのなら
永い歴史の大半は
自分のすべてではないもので構成されている
これは
不老不死や
命の話しではなく
生死を超えた話しで
生きるではなく
存在と表現されるもの
つまり
せいぜい高々55年の実働で
80年生きている
空白の25年は
死ではなく睡眠で
存在はしている
人の大半はきっと
その様に思う
純粋な子供が
こんな風に聞いてきた
「ずっと寝てるのと、死んでるのとではどう違うの?」
実はそれについては
大人にも分からない
それについては
大人も子供の様なもので
疑問さえ抱かないという意味では
より
無知であるともさえ言える
仮に
ずっと寝ていたとしよう
あなたはずっと存在していて
あなたはずっと
55年以外の永い間ずっと
あなたは寝ていたのだ
そして高々55年という一部を
永い歴史に刻んだ
宇宙の永い歴史の大半は
あなた以外のもので構成されたが
永い歴史の大半に
あなたは存在していたのだ
言い方を代えれば
寝ていただけだ
子供が
こう聞くかも知れない
「生まれる前と、起きる前とではどう違うの?」
別にこれは
大袈裟な話しじゃない
殆んど毎日人は寝る
それは日常的な事だ
覚めるのは夢からで
寝てる間に見るものが
夢である
それは存在しているが
存在そのものを見失いかけるのだ
夢の中では
大半は鈍感である
それが夢とは気付けない
例えば
そのすべてが
せいぜい高々55年だなんて
思ったりもする訳だ