詩人:鶉ック カロメリック | [投票][編集] |
何と浅ましく
弱い命か
私が命がけで
護ってきたものを
おまえは
私から眼を背けたまま
無害のつもりで
踏みにじった
悪くない
悪くないと
自分も
だましながら
居心地の良い偽りの親しみを
無知から
友情と呼ぶなら
無知は心を砕く大罪で
汚れにも
痛みにも触れず
無害な親しみを被り
仲間面で近寄る者は
過去より最も
憎まれてる
灼熱の労働を
零下の忍耐を
おまえは
涼しく暖かな
硝子のシェルターの向こうで
窓に手のひらをあてて
こちらを見
小さな善を行うに留まり
大きな悪を放置するなら
その人は悪である
我は善か
それとも悪か
おまえは善か
それとも悪か
私を笑う者を
私は恐れない
それは私の力に
変わる者
私に親しみを持ち
低い思想に定住する者に
私は苦しむ
それは私の力を
奪う者
これから未来の
おまえの地位と名誉を喜ばない
たとえそれが
私のための贖罪であってもだ
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ぼくがなにになろうとも
やはりぼくがすきだろう
えんしたものに
こころが反応し
さけびたくなる
うれしくて
また
いかりによって
ここにいるぼくと
このさきにいるぼくと
ああ
なんらかわらず
なけと
ぶてと
まえみてすすめと
ぜんぶのぼくが
いまのぼくにいう
おまえほど
すてきなぼうやは
いないぜと
ふだんはまじめなあんたが
みたことない
こどものようなかおして
わらいながらいう
から
だから
ぼくは
あんたをすきになる
かぜをいたみとかんじるときに
あんたが
これは一番きもちいい
ものなんだぜと
いいながら
ひょっこりあらわれるから
ぼくはいいほうのうそを駆使しながら
本当の笑顔にいどむ
ぼくがなにになろうとも
ぼくはぼくがすきだろう
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ひさびさの
やみは
おまえのかわらぬ
ちじょくの
あらわれよと
ひさびさとおもわせ
おれをまた
あきらめと
まんせいに
ひたらしこめ
やみよ
こよいのやみよ
おまえはせまい
ただのくうかんでしかないというのに
このおれに
はばたきはじめた
おれに
かげをかんじさせるんだな
あのかげを
ぶきみな
ひきょうな
あのみにくいものを
これがおまえなんだと
せめたてる
共依存の関係さえも
こよいはあらわれない
くらい
くらい
へやだった
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おれのこのきもちを
どうやれば
あらわせるのか
見えるなら
朝焼けの
林の
誰もいない
未舗装路のような
老衰の一日一日
言葉少なき連れ合いの
慈愛と寂しさの混ざった
顔と顔
壊れた乗り物
明日を知れぬ一歩
何のためにと
考え考えて
今は
その仕草ひとつひとつが
その答えであり
そうして
それは新たな提議だということ
ああ
という声こそが
おれのすべてで
あとは解読を待つだけ
戦いは外の激しさにのみあらず
心中深く
真実をみつけるのも
そうなんだろう
おまえは
ひとりしかいない
そんなところで
いったいなにに
ほえることになるか
勇ましさは
人への武器で
人がないなら
いらない
ああ
やはり
おれはおれをこえておらず
そうして
おれの日々を
真実の闘志は
なんの戦いというのだろう
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捨ててしまえ
全部捨ててしまえ
おまえの中にくすぶる
多少の誉や悦楽も
才能も
夢もみんな
全部だ
一瞬のうちに閃く
雑多な記号のような
ことばも
おまえの心のすべてを
ひとつだけ残すなら
捨てる覚悟の折りに
おまえは
おまえ自身を打ち
金切り声で
目で見えぬ痛みと
共に生きる苦しさを
ずっと
自己のもうひとりの
あきらめの視線を意識しながら
ずっと
時には
あふれながら
ずっと
おまえは
ひとりで
生きていく
一つの支えしかない
喜びと苦痛は
もはや言葉では
あらわせない
おまえの中で
ありとあらゆる物を
苦痛と共に捨てることと
拾うことを繰り返して
おまえの中に
最後に
残ったものが
詩ではないんだという
真実
詩ではないんだ
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このごめんなさいは
これで何度目でしょう
今から言うごめんなさいは
あなたで何人目でしょう
あなたのことが
大事だということを
他の何かと
比べられるはずないのに
比べちゃって
自分のことを間違えてるって
考えちゃって
だからいつも
あやまって
そのあやまる態度を
あなたにしてしまって
ごめんなさい
ごめんのループです
行き着くことない
言葉です
排泄みたいな
言葉です
そして
愚かな言葉です
でも僕らは
人間なので
止めることが
できないのです
ごめんなさい
ごめんなさいと
くりかえし
言っちゃうのです
そして
大した反省も
しないまま
申し訳ない心を
忘れてしまうのです
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ひどいもんかも
しれないね
くりかえしくりかえしの
えんぎは
すきでもきらいでもなくて
ときに
ああ ああと
ないてみたり
気持ちのほんとを
さぐってみたり
おまえを
ためしたり
ひとは
ひどくひどいように
できてて
ひとは
あかるさくらさに
むりやりのいみしか
おもいつきたくないと
いつもそんなふうで
とてもひどくできてる
ぼくの
おそるおそる踏みだした半歩も
それはたとえれば
ひとを傷つけることと同じなほどに
無益だとしった
今夜ぼくはしった
どんなひとも
詩は希望か絶望しか
綴れない
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もうおまえは
いないのだ
うすぐもりの
けむりのなかを
かいてかいて
てさぐりの
じんせいの
おまえはもう
いないのだ
ともとよべぬ
ひとをつれ
ひきつれ
なだめ
わらわせ
それでなお
しあわせもとめて
はたらきはたらき
わすれわすれの
おまえは
いないのだ
きょうのよるに
ほしになったのだ
永久にかがやく星
おまえのこころは
もうひとつの
こころをつれて
あのくらいそらに
いってしまった
かえしてくれよ
かえしてよ
でもぼくは
おとなになったのだから
つめたいふゆも
ひとりのあさも
そのひとつひとつに
うちゅうというなの
こすもすのはなを
かんじるから
それは
かんきであるから
もう
こわくはないはずだ
みてくれよ
いないおまえよ
がんばってるぼくを
ほめてくれよ
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なんかね
すごくうれしいんだ
レトリックを使わない
ことばをえらばない
そのままが
いやぼくは
レトリック大好きだ
それは変わらない
ただ今は
ほんのわずかな時間で
詩に戻れることが
たまらなく
うれしい
以前の詩ともだちが
知れば
きっとその人も
喜んでくれるだろう
ぼくは今うれしい
ほんとただそれだけが
伝えたいことだから
たったそれだけで
まんぞくなんです
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あなたにおくる
ゆいいつのことば
がんばれ
がんばれ
あのころあなたは
まだみらいをしらず
ただ無形の
きぼうだけをもって
がんばれ
ずっと
がんばれ
あのころのあなたに
ほめられるよう
いまもあたしは
がんばっている
あのころのあなたが
めざせるよう
いまあたしは
がんばっている
まだだ
まだまだだ
あなたににた
あのひとも
きぼうから
はじまれるように