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かけてんの部屋


[294] 影の国
詩人:かけてん [投票][編集]

行先も告げずに
手を振ることもなく
旅立った

溢れる好奇心
頭の中できらめいていたあすの世界

ここがどこかも分からなくなった

頭の中のきらめいていた世界そんなところはなかった

世界を知れば知るほど悪が見え残酷を知り
今日を知れば知るほど美しく思えた



美しい日々に気付いた
だけどその美しさは残酷から成っていた


いつも嘆いていた
悪は死ねばいいと思っていた
その悪の中の一人は僕だった



それでも僕は普通に今日を生きた
たくさん笑った
残酷の上に成り立つ世界で今日も贅沢に生きた
正義を装った



日々に飽きて旅立った
その先にあったのは暗闇だった

目を輝かせ世界を見にいった
その時見たのは自分の悪だった

それでも変わらず生きていく
正義を装い
悲劇の主人公を演じ
小さな努力を誇りに思って自分から目を離している


もう一度旅立つなんて気にはなれなかった
それでも旅立ちを僕の目標とした


そしてこれからも影のこの国で生きていこうと決めた


2009/11/12 (Thu)

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