ほそいほそい絹の糸優しく指をなでてその柔らかさを知った柔らかい感情と暖かい日々が幸せだったあかいあかい絹の糸冷たく指を凍らせその痛みを知った零れた水と滲んだ世界が残酷だったちぎれた、ほそくあかい、絹の糸夜と夜明けと朝と昼間と夕方の時間その糸をずっとなでていた。
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