詩人:番人 | [投票][編集] |
ここにあるのは
虫と遠巻きに聴こえる工事の音
他には何もない
とても静かだ
しんどい
壁に頭をもたげ
眼差しは遠く
留まった秋の雲が
頑張れよう 頑張れよう
と言っている
張っていた気が
少し薄くなって
無償に
優しさが込みあげて
なりふり構わぬ自分を
恥ずかしく思った
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私という中に確定的な事実はない
一時的に物事の中で得たものばかり
何も得ようとしないことで
真実の姿を
気付き理解して
幻の体を
平面的な世界を
意味のあるものにしていく
確かに私は生きていた
だが誰もが死を保有している
それさえも何の答えにもならず
鏡に映るのはほんの僅かな欠片だけ
私という事実 実体は完全な姿では現れない
得るものでもないし
どこかにあるわけでも無さそうだし
今こうして居るのだから無いわけでもなさそうだ
だから私は探さない
探さないことが真実の在り方だと思うから
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一部の高速料金が上がる
なぜ反発しない
いつだってそうさ
忍耐と傍観を履き違えている
今までは政治家が喰らうべきだと
そう思っていた
だが本当に喰らうべきなのは
核並の熱と絶望を喰らうのは
反骨精神を亡くした
民衆の方なのかもしれない
役人は公僕
民は親
責任は誰にあるのだろう
こんな平和な国にいても出来ることはある
せっかく産まれてきたんだ
家畜ではなく
人間らしく生きたいじゃないか
人間らしく血生臭く
今や資本主義だから
政治家がいなくなっても大したダメージはないはず
膿んだ血は出さねば
日本が壊死する前に
忠誠の証に両足を喪う者だけ
本物の我が子と認めてやろう
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結局何も変わらない
仕事しても
恋愛しても
それだじゃ
自分の本質は何も変わらない
求めているものが何なのか
それすら解らず
満足出来ずにいる
最初から気付いていた
ただ現実を知っただけ
生きていく手段と自分の目的とは違う
探しているものは
もっと
深い所にあるのかもしれない
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誰かが言った
この宇宙のスケールは私達が考えうる様な中途半端なものではない
私にとってそんなことはどうだっていい
所詮私という中にある小宇宙にすぎない
私の宇宙は
天空を覆うこの宇宙の比ではない
対象の大きさは
見る者の心の中にあるのだから
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言いたいこと言えて
したいこと出来て
そうやって
失われていった
本当の
何か
いつかの束縛を覚えているか
いつかのあの窮屈さを覚えているか
張り詰めた緊迫
めくるめく光速
そこには
何もなかった
がんじがらめのままでは
断たれた橋は
渡れはしない
船で渡るか
心地よい
眠りを求めて