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アイの部屋


[168] 電車
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久しぶりのデート
懐かしい匂い
何故か触れる手がぎこちない
冷たい風が味方して
二人の距離を近づける

ずっと会いたかった
もう離さないでなんて言えない
帰る場所が違うから
さよならして前に進まなきゃ

うつむいてゆっくり歩いても
電車に向かう人の群れに流されて
お別れのキスの後
振り返ると低い改札が
二人の間に境界線を引いていた

遠くで立ち止まって見送る姿を
何度も確認しながら
越えてはいけない一線を背に
小さく手を振り消え去った

一緒に居る時に我慢した涙が
ホームで少しずつ流れ出して止まらない
二人過ごせる時間が幸せ過ぎるから
辛い別れを覚悟していたはずのに

電車のドアが閉まる
片道1時間半の距離
一時の幸せの為に立ち寄った
二人がずっと一緒に過ごせる日は
もっと遠く
繰り返す別れの先にある
でもその未来が確かなら
この愛を抱えて今を歩いていくよ

2007/11/09 (Fri)

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