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ハトの部屋  〜 新着順表示 〜


[80] 一区切り、の、季節に
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蛍が土に還るのを
見計らったように
やって来た低気圧

昨日乾いていた小道
ジーンズの裾を湿らす

口笛吹きながら歩く
今年も綺麗でした
ね、また、思い出
重なって
仕舞う

奥底に、奥底に

あの日とは同じでない
光 光 光 光

雨の滴がキラキラ
しながら地面に落ちてまた
湿らす
ジーンズの裾

天の川はもう見えない

今年の分は、もうオシマイ
そして
往く
低気圧

2008/06/24 (Tue)

[79] よぎる影を見たけれど
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猫と戯れる
休日の縁側

咽と腹とを無防備にさらす
愛しいいのち
柔らかいいのち
温かいいのち

冷たく固くなった
今はもういないあの子を思い出す

この子もいつか
と思うとまた
愛しくて仕方なくなる

柔らかな咽に
暖かな腹に

触れて和む
休日の縁側

2008/06/19 (Thu)

[78] 6月第2日曜
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ほら、ごらん
祭りの夜が終わるよ

幼い私達が
家に帰って行くのが見える

ネオンは残像に
喧騒は残響に

祭りの夜が終わるよ

萎んだ綿菓子を握りしめている

最後の明かりが消えて
取り戻す静寂

遠ざかる足音
子どもの喜声
溢れた屑かご

明日からまた遊ぼう

幼い私達が
家に帰って行くのが見える

2008/06/02 (Mon)

[77] 感想文
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自分のことばかり
ごめんなさいね

貴方への愛を
綴っている訳ではないわ

ただの感想文と思って下さい

先生が採点するように
厳しい目で見ていて下さい

そうね、自分のことばかり
だって分からないんだもの

恋したかったのは一度だけ

貴方以上に
見つめたくなる人がいなかったの

こなれた人は
子どもだと笑うのだけれど
そうね

貴方が好きだったの

2008/05/01 (Thu)

[76] 大人の味
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祖母が山椒を摘んできた

庭山椒は固いからと
わさわざ山へ行ったらしい

葉山椒を
ビニールシートに広げて
すぐる姿も恒例になり

広がる醤油と山椒の香り

いつから美味しいと
思うようになったのだったか

今年は
腐らせずに済みますように

2008/04/28 (Mon)

[75] 夜に呟く
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すれ違った風圧で
舞い上がる春の名残に
常に変わり行く季節を見

いつか見た景色と比べて
変わらないわたしを思い出す

そして
思いだし
比べる事で
やっと

今あるものを見ることが

できる

いや、
そうしなければそこに
辿り着けないと言うべきか

すれ違って
舞い上がる

積もりに積もって蓄積された

何か

払い落とすべきなのか
大事に掻き集めるべきなのか

吹き溜った
今はもう終わった季節に
また
思い出を重ねている

また巡るまで、さよなら

次に会うのはまた
比べる時に

その時わたしはまた
同じ事を思うのだろうか

2008/04/26 (Sat)

[74] 飛沫
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弾けたシャボンの飛沫を
手の甲で拭う

意図して放たれた言葉は
どれも安っぽく感じるのさ

琴線は振るわない

掻き鳴らしてくれる手が
見当たらない

探し出せない

探しに行こうとも思えず

今日もまた
シャボンの飛沫を拭う

何時か
琴線が振るう日を待つ

見上げた曇り空
視界を横切るシャボン
どこまでも飛んで行け

2008/02/08 (Fri)

[73] 赤色が似合うあの人
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あなたでないなら
不意に顔をあわせても
驚いて
再会を喜ぶことが出来るのです

笑ってやって下さいな

あなたを見ると
私は他人になってしまうのです

眼鏡が意外に
お似合いなのですね

煙草をお吸いになるのですね

髪の毛はまだ
黒のままなのですね

スーツがよく似合っておられます

嗚呼、今、私の横を



2008/01/20 (Sun)

[72] 思い出の6月
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落ちてくる雨水の
着水地点は
緩やかに広がる
波紋でありました

流れ出ることもなく
流れ出そうとすることもなく

ただ
緩やかに波打つ
一つの接点でありました

たりらりら、
たりらりら、
るりるりるり、

広がってゆくのです

鼓動の早さで

らりらりら、
らりらりら、
ふぃりりりりり、
てぃりりりりり、

音楽 音楽 音楽

けむる
けむる

あめのやま
あめのもり
あめのはやし

あめのまち

色とりどりの傘広げて
帰っていく子どもたち

それは鼓動の早さで

落ちてくる雨粒の
着水地点は
緩やかに広がる水面でした

2008/01/18 (Fri)

[71] 心拍数
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あの人で
心拍数を
使いきってしまっても

それは
それで

楽しそうじゃないか

2008/01/16 (Wed)
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