詩人:詩奈 | [投票][編集] |
小さな船が作る二つの波のレールは、
広がり広がり、
やがて消える
何が大切なのか、
いまいちわからなかったけれど、それでも、
そのぼんやりとした何かを
大切にしたいと思う
消えていくレールを眺め、
涼しくなった風に前を向かされる
消えてもまた、新しくレールをひいていこう
静かに一人頷いた。
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静かな、
秋の夜が好きだ
記憶より確実な何かが
手に入る気がして
腕をまわしたあの感覚が
鮮明に蘇る気がして
泣いてもいいよ
鈴虫が私を誘う
今もわからないんだ
どうしたらよかったのか
大好きだよ秋の空気が
うん、大好きだよ今でも
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想いが香るなら
風にのってくる微かな想いもさがしあてられるのに
歌声は響くのに
誰かの想いはどうしてもっとわかりやすく響かない
木漏れ日のように
障害があってもなお強い光が美しい
私は私らしく
ただ歩きたいと思う
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全ての音を遮断して
真っ暗な小部屋で
しゃがんでいたい
出来る限り小さく小さく
止まらない流れにのって生きるくらいなら
何もかもを敵にまわすわ
信念は貫くわ
地球上の全ての音量を最大にして
360度見渡せる透明な大部屋で
大の字で青空を眺めていたい
止まらない流れに逆らって生きるくらいなら
納得いかないことも飲み込むわ
流れに合わせるわ
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「コーヒー」
ボンとテーブルに置く
いつから手渡ししなくなったのだろう
テレビの消えた部屋で
音の聞き方は忘れた
沈黙が押し出す冷気に
身震いする
冷えた2つのホットコーヒーは
お揃いのマグに入ったままで
もっとお互いが伝え合うべきだったのか
もっとお互いが我慢すべきだったのか
聞こえた唯一の音がため息で
涙がつたう
詩人:詩奈 | [投票][編集] |
いつか来たような
懐かしい風景
陽気な日が射す
行き先の忘れた電車の中で
揺れた、
ココロ
たくさんの行き場があったのに
この電車に乗ったのは
直感で選んだだけではないと思う
暖かな陽は涙を誘う
「全てが必然なのよ」
涙は私を励ます
行き場の定まらない電車の中で
揺れる、ココロ
あぁ涙が
とまらない。
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リズムは一定でいられず
灰色の空唄う
時折吹く風が二人を裂いていく
笑った顔はぼやけ
確かだった温もりも朧気
伸ばした手は空を切り
手の平には雨粒
消えた二人の足音に
今も不調和なリズムで
詩人:詩奈 | [投票][編集] |
坂道をくだる
風をくぐり
夜の景色がみせる
家が星が光り
ペダルから足をはずす
自転車は走り
ひゅんひゅん
君は通り過ぎ
見えなくなり
ひゅんひゅん
君が通り過ぎ
見えなくなり
ひゅんひゅん
ひゅんひゅん
はずした足をペダルに戻す
しっかりと風を受け