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詩奈の部屋  〜 投稿順表示 〜


[178] 小さな船
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小さな船が作る二つの波のレールは、
広がり広がり、
やがて消える

何が大切なのか、
いまいちわからなかったけれど、それでも、
そのぼんやりとした何かを
大切にしたいと思う

消えていくレールを眺め、
涼しくなった風に前を向かされる


消えてもまた、新しくレールをひいていこう

静かに一人頷いた。

2009/08/23 (Sun)

[179] 09秋
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静かな、
秋の夜が好きだ

記憶より確実な何かが
手に入る気がして
腕をまわしたあの感覚が
鮮明に蘇る気がして

泣いてもいいよ
鈴虫が私を誘う

今もわからないんだ
どうしたらよかったのか

大好きだよ秋の空気が
うん、大好きだよ今でも

2009/09/03 (Thu)

[180] 想い
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想いが香るなら
風にのってくる微かな想いもさがしあてられるのに

歌声は響くのに
誰かの想いはどうしてもっとわかりやすく響かない

木漏れ日のように
障害があってもなお強い光が美しい

私は私らしく
ただ歩きたいと思う



2009/11/18 (Wed)

[181] 葛藤
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全ての音を遮断して
真っ暗な小部屋で
しゃがんでいたい
出来る限り小さく小さく

止まらない流れにのって生きるくらいなら
何もかもを敵にまわすわ
信念は貫くわ



地球上の全ての音量を最大にして
360度見渡せる透明な大部屋で
大の字で青空を眺めていたい

止まらない流れに逆らって生きるくらいなら
納得いかないことも飲み込むわ
流れに合わせるわ


2009/11/27 (Fri)

[182] ホットコーヒー
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「コーヒー」
ボンとテーブルに置く
いつから手渡ししなくなったのだろう

テレビの消えた部屋で
音の聞き方は忘れた

沈黙が押し出す冷気に
身震いする

冷えた2つのホットコーヒーは
お揃いのマグに入ったままで

もっとお互いが伝え合うべきだったのか
もっとお互いが我慢すべきだったのか

聞こえた唯一の音がため息で
涙がつたう

2010/02/18 (Thu)

[183] 揺れた、揺れる、ココロ
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いつか来たような
懐かしい風景
陽気な日が射す

行き先の忘れた電車の中で
揺れた、
ココロ

たくさんの行き場があったのに
この電車に乗ったのは
直感で選んだだけではないと思う

暖かな陽は涙を誘う
「全てが必然なのよ」
涙は私を励ます

行き場の定まらない電車の中で
揺れる、ココロ

あぁ涙が
とまらない。

2010/03/26 (Fri)

[184] 雨音
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リズムは一定でいられず
灰色の空唄う

時折吹く風が二人を裂いていく

笑った顔はぼやけ
確かだった温もりも朧気

伸ばした手は空を切り
手の平には雨粒

消えた二人の足音に
今も不調和なリズムで

2010/05/20 (Thu)

[185] ひゅん
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坂道をくだる
風をくぐり

夜の景色がみせる
家が星が光り

ペダルから足をはずす
自転車は走り

ひゅんひゅん

君は通り過ぎ
見えなくなり

ひゅんひゅん

君が通り過ぎ
見えなくなり

ひゅんひゅん

ひゅんひゅん

はずした足をペダルに戻す
しっかりと風を受け

2010/06/12 (Sat)

[186] 
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狂い狂う世界の最期
何をみる

狂い狂う世界の最期
一番の美

狂気に線引きする自身が
一番の狂気

咲き乱れた名もない華
切り刻む
切り刻む

2010/07/01 (Thu)

[187] いつも一番
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一番伝えたいコトは
いつも飲み込んで

そんな自分にうんざりして

探しても探しても
「わたし」がいない


一番伝えたいコトは
いつもいつもいつも

2010/07/29 (Thu)
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