詩人:詩奈 | [投票][編集] |
寝言で語る夢物語
はじまりはいつも誰かが決めたけど
今日があたしのハジマリの日
春の陽が桜を色づかせ
リズム奏でた道しるべ
目指して歩くのです
ひたすら歩くのです
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「もう無理なの!」
自分の声の大きさに驚いた
昔のようにふわふわした恋愛はもう限界だった
恋の終わりに必ず泣いていた私はもういない
誰が悪いとかじゃない
しいて言うなら年齢のせいかもしれない
冷静で淡々としてしまった私たちに
夏は熱すぎるのだと思う
詩人:詩奈 | [投票][編集] |
珍しくとれた連休
梅雨の中休みの
日差しは眩しい
ラッシュをすぎた電車は
いつもの5倍は
ゆっくりと進んでいるようで
荷物もいつもの5倍は軽い
乗り換えた慣れない車内で
聞き飽きた曲は妙な安心感
名前も知らない川は
ただ流されていても
何処かには着くわけで
でもきっと
目的地がなくていいというわけでもなく
あれこれとぼんやり考えながらも僕は
この小旅行を大切にしたいと強く思っていた
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暑さはけだるくて
身体がからっぽになる
ふわふわ
ふわふわ
ちょっとしたことで
ふわふわ
ふわふわ
扱いは簡単なはずよ
「大丈夫」って
笑いかけてくれたら
それだけで
ふわふわ
ふわふわ
ふわふわ
ふわふわ
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蟻が群れるのは
蜻蛉のしがい
都会の真ん中で
蜻蛉のしがい
予報はずれの
天気予報
行き場をなくした傘
「せめて最期だけでも」
音に溢れた世界から
傘が蜻蛉を守った
都会の真ん中に
蜻蛉のしがい
遮られた音の中眠る
蜻蛉のしがい
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雨のにおいを
肺いっぱいにつめる
深呼吸は目覚まし時計みたいなもので
濁った街中で忘れさられた涙
雨雲の行方を追って「いま」を消した
昔言った ありがとう は現実味をなくす
くるくると回る落ち葉はきらきらと光るようで
アスファルトの間を突き抜けたクローバーが凛々しい
肺いっぱいにつめた雨のにおいで
なんだか今日なら泣けそうな気がした
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あ どんぐり!
拾った手の小ささに驚く
そうか そんな季節か
気づけば12月だった
どんぐりを拾い集めるその子の小さなダッフルコートに顔が綻ぶ
眠れば朝がきていてまた仕事に行く生活に季節なんて無関係だった
小さな手で抱えたどんぐりの分だけ
嗚呼 僕は失ったかもしれない
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なんだか寂しい夜は
たいていすごく寒い夜で
意味のない喪失感に埋まる
会いたかったあの人に
いつから会えてないのか
いつの間に会いたいと思わなくなっていたのか
考えては静かな冬の夜に浸った
恋だとか愛だとかそんなのを
わかったふりして
たいていそんな夜は
すごく寒い夜なんです
詩人:詩奈 | [投票][編集] |
人間なんて
欲張ってばかりで
人間なんて
損得ばかり考えて
人間なんて
何度も裏切られて
人間なんて
でも何故か許してしまって
人間なんて
人間なんて
人間なんて