ホーム > 詩人の部屋 > 詩奈の部屋 > 投稿順表示

詩奈の部屋  〜 投稿順表示 〜


[22] 冬の終わり、春の始まり
詩人:詩奈 [投票][編集]

チャイムと友に始まり

チャイムと友に終わった



夕日が作り出すスポットライト

心でこだまする笑い声は普通の1日で生まれた

あやふやな景色と確実な想い

それは

気づかぬ内に手にし

気づかぬ内に大切なものとなる

振り返ったときには

もう既に過去で

ただ懐かしみ

同時に少し寂しさも感じる


歩き慣れた道

見慣れた風景が流れる

凍った道路と

雪の溶けた少し土混じりの水溜まりをこえて

僕等新しい道歩き出す


春の日差しと絵に描いたような青空

ピンクに彩られた並木道


諦めとか妥協なんて言葉

知らずに歩いた僕等は

もういない





2005/03/25 (Fri)

[23] 夕暮れ
詩人:詩奈 [投票][編集]

どこまでも灰色で
意味なんて無くて
構えた手はいつの間にか力抜け
期待しては裏切られるから期待するのなんか止めて
いつも下ばかり見てれば上は気にならないから
関わらなければ悲しい思いしないから


変わり続ける空の色に
ただの1度も同じがない空に
同情を求めるなんて馬鹿げてる



こんな汚れた街にこの僕を重ねてみるけど
どっちにしても
それを照らしたのは
ビルの間の細い隙間からもれた
オレンジの光

眩しくて僕は目を細める



2005/03/25 (Fri)

[24] 遠く
詩人:詩奈 [投票][編集]

裸足で駆け出した君に

僕は何て声をかけたら良かったのだろう


歩みを止めたこの足が
まだ少しでも

信じるという言葉を望んでいたなら

たくさんの応援歌を歌ったのに

今の僕はかける言葉も知らず



いつからか

絶望を笑い転げた中に

慣れを感じていた


笑った瞳から諦めを読み取る術を

学んでいた



風が雑音に聞こえてから

その向こうが見えた気がして



もう見えなくなった君を

一層遠くに思った




2005/03/25 (Fri)

[25] 独り
詩人:詩奈 [投票][編集]

悲しみを知りたくない僕は

誰かとの繋がりを何かと勘違いして

雨の粒に隠した



向き合わずに

忘れたふりして逃げる僕はやっぱり


どこかで自分を信じることさえも

できずにいるのかもしれない




いつになっても止まない低い雨音は

冬の名残のようで

僕に孤独を見せ付ける



いつだって人は独りで

だけどだから手を伸ばすのかもしれない



でも僕は

掴んでも涙に混じった雨の滴が手からすり抜けるのを


“独り”の意味だと


ぼんやりと解釈した



2005/03/25 (Fri)

[26] 今へ帰る
詩人:詩奈 [投票][編集]

夢見る僕に
知らせるアラーム音
耳に響く音はじわじわと今を確実にする

手探りで機械音を消し、考えた

あと数分後には今にいる


微かな意識は
瞼に感じる光の眩しさと暖かさを
心地良く伝えた

すずめに聞いた今日の快晴が
飽きてきた日常の中に期待をくれた


例えば此処が楽しみも無い暗闇でも
例えば此処が輝く光の下でも

いつだって雲は流れ
見上げた其所は
必ず違った今を持つ

過ぎ去った其所に夢を抱いても
今は残らず…



ベッドから出た僕の背中を
春の日差しが
後押しした


そう僕は

今へ帰ったのだ

2005/03/25 (Fri)

[27] 桜道
詩人:詩奈 [投票][編集]

あの時と変わらぬ風景で

あの時とは違う僕は

なんだか寂しくなった



何一つ変わらないようで

全てが変わったことを

知らずに笑っていられる程

もう僕は子供ではなくて


戻れないからといって

決して削除できはしない過去の記憶に

歯がゆさを残したまま

時に急かされる僕はまだ

大人でもない




まだ途中にいる僕のように

風に舞う花びらに思う



いつかこの枝々が色を持つなら

その頃も同じ気持ちで


いつかその色が変わってしまっても

忘れぬように…





無心に咲く花に

憧れと似た感情を抱く



2005/03/26 (Sat)

[28] 後悔
詩人:詩奈 [投票][編集]

歩く

歩く


無いまま




進む

進む


何と無く




終わる

終わる


残さずに





悔やんでも

もう何も

無い


2005/04/02 (Sat)

[30] 友と
詩人:詩奈 [投票][編集]

僕等が出会った奇跡は

偶然なのかもしれないけれど

その偶然の出会いに意味を持ったから

運命と名付けようと思う


ふと開けた夕方の窓に

家々の間から覗いた満月

この一瞬に

過去でも未来でもない現在という今に

重さを感じる




大きすぎる空

優しすぎる風

碧すぎる草に囲まれて

今まで守ってきたものは
空になり

今まで嘆いていたことは
風になり

これからつくられる自身は
草になった


星回り
僕回り

時流れ
僕流れ

残る変わらないもの


僕等はそれを

永遠と名付けようと思う





2005/04/02 (Sat)

[31] プライド
詩人:詩奈 [投票][編集]

歩く度
間違う度


僕の場所
狭くなった

気づいたら狭すぎて
バランスをとらなきゃ
落ちてしまう

落ちればまた狭くなるから

落ちないようにする

だから思い切りは動かないんだよね

自分で作った
プライドで埋め尽されたこの場所

いつからか居心地が悪くて

だけど壊せない

こわいんだ

変わってしまう自分が

作り上げたここを
崩すのが



自分のプライドを崩せないプライドは
またここを居心地悪くした


2005/04/02 (Sat)

[32] 
詩人:詩奈 [投票][編集]

深みを持つ緑は

輝きを
水を

求む


いかに美しいか
勝負である

しかし
勝敗に関わらず
運命は同じである

そう
つまりそういうことだ

力みすぎて散ってしまうことも
しばしば

それを見て笑うのだ

境界線を濃く太く書き
美しい
と言いながら
笑うのだ

笑え
笑えばいい

おもしろいだろう?




もしも見えてくるなら
今から動けばいいさ



2005/04/02 (Sat)
190件中 (21-30) [ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 >> ... 19
- 詩人の部屋 -