詩人:詩奈 | [投票][編集] |
チャイムと友に始まり
チャイムと友に終わった
夕日が作り出すスポットライト
心でこだまする笑い声は普通の1日で生まれた
あやふやな景色と確実な想い
それは
気づかぬ内に手にし
気づかぬ内に大切なものとなる
振り返ったときには
もう既に過去で
ただ懐かしみ
同時に少し寂しさも感じる
歩き慣れた道
見慣れた風景が流れる
凍った道路と
雪の溶けた少し土混じりの水溜まりをこえて
僕等新しい道歩き出す
春の日差しと絵に描いたような青空
ピンクに彩られた並木道
諦めとか妥協なんて言葉
知らずに歩いた僕等は
もういない
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どこまでも灰色で
意味なんて無くて
構えた手はいつの間にか力抜け
期待しては裏切られるから期待するのなんか止めて
いつも下ばかり見てれば上は気にならないから
関わらなければ悲しい思いしないから
変わり続ける空の色に
ただの1度も同じがない空に
同情を求めるなんて馬鹿げてる
こんな汚れた街にこの僕を重ねてみるけど
どっちにしても
それを照らしたのは
ビルの間の細い隙間からもれた
オレンジの光
眩しくて僕は目を細める
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裸足で駆け出した君に
僕は何て声をかけたら良かったのだろう
歩みを止めたこの足が
まだ少しでも
信じるという言葉を望んでいたなら
たくさんの応援歌を歌ったのに
今の僕はかける言葉も知らず
いつからか
絶望を笑い転げた中に
慣れを感じていた
笑った瞳から諦めを読み取る術を
学んでいた
風が雑音に聞こえてから
その向こうが見えた気がして
もう見えなくなった君を
一層遠くに思った
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悲しみを知りたくない僕は
誰かとの繋がりを何かと勘違いして
雨の粒に隠した
向き合わずに
忘れたふりして逃げる僕はやっぱり
どこかで自分を信じることさえも
できずにいるのかもしれない
いつになっても止まない低い雨音は
冬の名残のようで
僕に孤独を見せ付ける
いつだって人は独りで
だけどだから手を伸ばすのかもしれない
でも僕は
掴んでも涙に混じった雨の滴が手からすり抜けるのを
“独り”の意味だと
ぼんやりと解釈した
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夢見る僕に
知らせるアラーム音
耳に響く音はじわじわと今を確実にする
手探りで機械音を消し、考えた
あと数分後には今にいる
微かな意識は
瞼に感じる光の眩しさと暖かさを
心地良く伝えた
すずめに聞いた今日の快晴が
飽きてきた日常の中に期待をくれた
例えば此処が楽しみも無い暗闇でも
例えば此処が輝く光の下でも
いつだって雲は流れ
見上げた其所は
必ず違った今を持つ
過ぎ去った其所に夢を抱いても
今は残らず…
ベッドから出た僕の背中を
春の日差しが
後押しした
そう僕は
今へ帰ったのだ
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あの時と変わらぬ風景で
あの時とは違う僕は
なんだか寂しくなった
何一つ変わらないようで
全てが変わったことを
知らずに笑っていられる程
もう僕は子供ではなくて
戻れないからといって
決して削除できはしない過去の記憶に
歯がゆさを残したまま
時に急かされる僕はまだ
大人でもない
まだ途中にいる僕のように
風に舞う花びらに思う
いつかこの枝々が色を持つなら
その頃も同じ気持ちで
いつかその色が変わってしまっても
忘れぬように…
無心に咲く花に
憧れと似た感情を抱く
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僕等が出会った奇跡は
偶然なのかもしれないけれど
その偶然の出会いに意味を持ったから
運命と名付けようと思う
ふと開けた夕方の窓に
家々の間から覗いた満月
この一瞬に
過去でも未来でもない現在という今に
重さを感じる
大きすぎる空
優しすぎる風
碧すぎる草に囲まれて
今まで守ってきたものは
空になり
今まで嘆いていたことは
風になり
これからつくられる自身は
草になった
星回り
僕回り
時流れ
僕流れ
残る変わらないもの
僕等はそれを
永遠と名付けようと思う
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歩く度
間違う度
僕の場所
狭くなった
気づいたら狭すぎて
バランスをとらなきゃ
落ちてしまう
落ちればまた狭くなるから
落ちないようにする
だから思い切りは動かないんだよね
自分で作った
プライドで埋め尽されたこの場所
いつからか居心地が悪くて
だけど壊せない
こわいんだ
変わってしまう自分が
作り上げたここを
崩すのが
自分のプライドを崩せないプライドは
またここを居心地悪くした
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深みを持つ緑は
輝きを
水を
求む
いかに美しいか
勝負である
しかし
勝敗に関わらず
運命は同じである
そう
つまりそういうことだ
力みすぎて散ってしまうことも
しばしば
それを見て笑うのだ
境界線を濃く太く書き
美しい
と言いながら
笑うのだ
笑え
笑えばいい
おもしろいだろう?
もしも見えてくるなら
今から動けばいいさ