詩人:詩奈 | [投票][編集] |
僕、檻の中
閉じ込められて
逃げる勇気も無いくせに
外の自由に手をのばす
ただ誰かの命令通り
ただ誰かの玩具のように
活かされ逝かされ生かされる
描けない夢ならいらないと
そう言ったのはいつかの人間
死んだ瞳で横目を向けたのは今の僕
そこに浮かぶ滴の意味は?
僕、檻の中
捕われて
夢を忘れた人間は
小さな希望も諦めの一言で手放した
主張を忘れた僕は
常識に選択肢を消された
自身が作り上げた
自身の絶望
今僕、檻の中
今人間、誰も檻の中
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夜風に深呼吸して
窓から出した顔に
耳にあたって鳴る風の音は冷たい
暖かい空気に混ざった冷たい風は心地良く
でも強く僕に吹き付ける
見えなくなったオリオン座に
少し寂しくなりながら
流れても灰色の雲しか見せない空を眺める
思った通りにいかないこともある
夜風は溜め息混じりに
諦めたように力無く嘆いた
僕は絶望したけど
変われる訳もなく僕は
今日も嫌いな僕のままで
明日に行こうとしている
再び音をたてて入り込もうとする夜風から逃げるように
僕は思い切り窓を閉めた
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落ちては 消えて
落ちては 消えて
ひらひら舞う弁は
この時に身を委ねて
ゆらゆら流る
風を染めた木々
道を標す陽の光
どこまでも続く青い海
何もかもを味方にして夢と言えたら
今も僕を掴んで離さない探し物が何なのか
きっとわかるのに
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眠る
眠る
花の色
個々の家
少し湿った風と
土の匂い
遠くの何かの音だけが
今を支配する
ちょうど青にほんの少し黒を入れて
水をいっぱいふくんだ筆で
画用紙を染めた空
ぼんやり浮き上がったのは
黄色のクレヨンで描いた半月
そろそろ交代の時間だ
待ち遠しく反対を眺める
徐々に全ての色が変わり
少しづつ全てが音を持ち
段々と明るくなる風景を
月と新聞配達のバイクだけは
知ってる
あぁもうすぐ
ホラ雀も
あぁもうすぐ
朝の始まり
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尽きることなく
残酷になるばかり
ただ人は
あれこれと勝手に理由付ける
世間が
若者が
大人が
何時も原因は他人にあり
自分はただ無表情で知らん顔
咲き誇る花や
青々と茂る草木も
排気ガス塗れの空気
車とバイクの騒音
何かに急ぐ自転車
こんな中で
迷うこともできなくなった人々には
然も当たり前のように過ぎ行く一日の
風景の一部にしかすぎない
その事実を知っても
嘆いても
結局何もできないんだろう?
結局何もしないんだろう?
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騒がしいね
いや
でも楽しそうじゃない
だって皆同じ顔に
同じ声
同じ服に
同じ髪型
そうか
みんなで固まれば
楽しんだ!?
楽しい気がすんだ!?
そうだね
違うことをすれば
一気に攻撃されちゃうもんね
もし固まってないと言っても
もし違うつもりだと言っても
どうも同じに見えるんだよ
何もかも
携帯の絵文字みたいに
決まった表情
笑った顔
怒った顔
泣いた顔
困った顔
選択できるのはそれだけ?
もしかして
人々までも機械化されてんのかな?
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歩き続けたこの道で
このくらいでいいだろう
そう言って妥協したこと
疲れたら
もう自分は頑張ったと諦めたこと
面倒なことは
知らないふりをして逃げてきたこと
友達だからと理屈にならない理屈で
話を合わせ
自分を押さえ付けたこと
そんなことが
いくつあっただろう
気づくと後ろにあるのはガラクタばかり
なのにほめてもらえないと
世間に愚痴ばかりこぼしたね
くだらない
つまらない
そう言っていたら
誰よりも
くだらなく
つまらない
小さな人間になったよ
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どうか
どうか
ゆっくりでいい
何度でもいい
目を閉じて思い出してほしい
ここに在る
意味なんか知らなくたっていい
なくたっていい
知るときに知るし
あるときにある
そんなものだよ
だけどここに在るってこと
確かにあるってこと
掴めないし
感じられないかもしれない
でも在るから
必ず在るから
どうか
どうか
思い出してほしい
どうか
どうか
失わないでほしい
どうか
どうか
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苦しくて辛くて
共に泣いたのは
励ましてくれたのは
どこに行くにも
一緒に来てくれて
笑ってたのは
嗚呼どれも 偽物?
何てことなく時の流れに
身を任せて
希にこぼれ落ちる想いが
確かに伝わるのは何処?
本物は何処?
その固まりは
嘘の集合体?
わからなくて
見付からなくて
押し殺して泣くこの声よ
届け
何処かのまだ出会ってないあなたに
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足りない
足りない
足りない
あっても
足りない
増えても
足りない
足りない
もっと
もっと
手にすればまた…
足りない
足りない
今よりももっと
もっと
止まらない
したい
欲しい
何時も人を覆う
手にしては
忘れる
昨日欲しかったのは何だった?
さっき欲しかったのは何だった?