詩人:詩奈 | [投票][編集] |
揺れたひまわり
追いかけた遠すぎた夢
願うことすら意味を失った
走れ 少年少女
網を片手に夏の楽園
走っても走っても笑ってた
虫かごに
夢とか希望なんかを
閉じ込めて
消えた「時」に気付いたときには
もう空の色は変わっていたんだ
気付けば虫かごには
何もなくて
ひまわりは枯れていた
そして知ったんだよ
もう秋になるんだね
もう夏は終わったんだね
夢は
失くしてしまったんだね
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ぼんやり薄れた光を
壊すほどの勇気もなく
抱きしめるほどの想いもなく
ただただゆれているのを
遠くで指差して見てた
見えなくなれば探すけれど
見えていれば何の疑いもなく
いつまでもそこにあると信じこんでいた
どうしてかな
必要なもの程ぼやけていくの
どうしてかな
手にしてるときは気付かないの
ステージの証明
明るくて僕には眩しすぎて
目を細めた
視界が狭まったことの重大さに気付きもせずに
僕は悲劇のヒロインを
演じてみせた
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疑ってた明日
優しさに満ちてく未来を願ってた
眠れば明日になっている、当たり前な毎日に
うんざりして
喜びにも気付かないままで
目を閉じたね
いつまでも続く夢の途中
流れゆく時は僕等を急かし
手にする幸せと
失う悲しみを
交互に映し出す
それに踊らされて疑って…
繰り返す昨日の続き
夢の中にいる僕等には
悲しみはつきもので
それでも立ち上がる強さがあるから
続いてく未来があるから
きっと明日も
夢を見よう
この先もずっと
夢の中にいよう
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ムリした作り笑いも
くだらない話も
涙した夜には必要だから
大丈夫の言葉は
今は一番残酷で
必死で作った壁も
何の意味も無い
思い出す優しい笑顔
あやふやになったから
夢との区別すらできなくて
それなら痛みもあやふやになってしまえ
とすべてがリアルだったことを確信する
辛くて逃げたくても
明日はかならず迎えに来て
進まなくちゃいけない
そんな事実自体が
あまりに辛いと知ってしまった今日
どうやって過ごそうか
それでも
乗り越えられることを
知っているから
わかっているから
何度でも出会う
明日に
未来に
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見上げればくもり空で
夜空に深呼吸したくなった
失った物には敏感で
でも失っていくことには鈍感になって
最近ではため息ばかりだったね
願っている時が1番美しく
叶えてしまえばその美しさすら失って
ただ時が過ぎるのを待ってた
明日という未来は
今では何てことのない日常になり
虚しさばかりが残った
ため息ばかりが残った
でもホラ
吐いたら吸うように
得た物もたくさんあるんだよ
続いてきた「今」に胸張って
明日に深呼吸しよう
すべてを覚えていることもできないけれど
すべてを忘れることもできないから
だからホラ
夜空に深呼吸しよう
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正解も不正解も
真実も嘘も
描けない場所で
僕は涙した
雨の音に耳を傾け
「切ない」とつぶやいて
それでも濡れることはなかった
失わずに全てを抱えていても
その全てを大切にはできないのだ
笑う度苦しくて
泣く度情けなくなった
流れは止めることも変えることもできないけれど
僕自身は止まることも変わらずにいることも
できたはずだった
強くなる雨
冷たい風
冬はもう近い
傘なしでも外に出てみよう
と僕は覚悟を決めた
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紅いじゅうたんと
夕日に染まる世界
踏みしめるたび響く音は
僕をかきまわす
昼間の青空と夜の黒空
その2つで十分なのに
"どっちでもない"色が
生まれてしまう
世界はいつだって単純に
2つに分かれているはずなのに
「悩む」ことを知って
その色は複雑にからまってく
僕はそう
その複雑色に染まり、
迷い、
素々の色を忘れてしまった
空の色は
やがて夜となり昼になるが
僕は今も
何色とも言えない色の中で悩んでる
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待合室
僕は待つ
何でかな
ここは ぼんやり
朝日のせいか
季節のせいか
何かを考えてしまう
久々に海を見たような
久々に空を見上げたような
海も空も青いだなんて忘れていたかのような
そんな気分で
何かを考えてしまう
数分前に
数時間前に
誰かも思っていた気がして
不思議な勝手な親近感を
覚えた
目を閉じて
短い僕の歴史
また振り返ってみる
何か隠されてる気がして
何か見つかる気がして
スタート地点なんて
どこにでもあって
いつだってよくて
そう
僕にかかってる
僕のこれから
待合室
僕は考える
誰かとの繋がり
この先の僕の歴史
待合室
そんな場所かもしれない
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膨らむ桜のつぼみ
あたらない天気予報
不規則な風と
電車の先の蜃気楼
保てるのかバランス
望むアンバランス
届かない美しさ
見たいのは結果じゃない
消えゆく美しさ
一瞬の輝きこそが綺麗
不可能を壊して
明日を飛び越える
何かを得たなら
それはいつかの鍵
保ちたいバランス
ほしいアンバランス
願うのは
なんでもない日々
届けばいいよ
明日の君と僕に
繋がればいいよ
これからの未来に
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春を呼ぶ小鳥の声
のんきに浮かぶ雲は
冬に手を振った
ピンクのチューリップを揺らしたのは
春の風
僕を揺らしたのは
別れの言葉
色付く木々は
終わりの意味でもあった
1年前に見た桜の木
今年もまた魅せてくれる
満開の花と
去年と違うのは
確かに時を経た実感
風に舞う花弁は
切なさを隠しきれずに
僕の涙も隠しきれずに
ありがとう
心の中で何度も呟きながら
ただ春を暖かく
ただ春を感じます