入道雲を背景に緑生い茂る桜の木お前はそこでもう動かない中身はでてったんだろ空っぽなんだろパキッと割れた背中もうお前行き場がないんだろ可哀想にさっきまで動けたのに風とともに転がったそれはグシャリと音をたて形をも失ったセミの聲が遠くで泣き続けていた
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